教育や受験関係のSNS界隈では「遺伝」という言葉をしばしば目にします。すなわち「◯◯は遺伝なのか努力なのか」といった具合です。
しかし遺伝の考え方については、誤解されていることも少なくないように思います。遺伝というのは「両親のうちのどちらかまた両方に似る」というほど単純なものではないんですよね。

血液型を例にすると、例えばAOでA型の父親とBOでB型の母親の場合、父親からはAまたはOを、母親からはBまたはOをもらって、AB(AB型)/AO(A型)/BO(B型)/OO(O型)の子がいずれも等確率で産まれます。つまり、A型の父親とB型の母から、A型でもB型でもない(どちらの親の性質とも異なる)O型やAB型の子が普通に産まれるわけです。突然変異でもなんでもなく普通に。
こういったことが23対46本の染色体全てにおいてそれぞれ起こった結果として、親の持っている「遺伝情報」(←発現している「性質」ではなく!)のうち父親から半分、母親から半分を受け継ぐのです。遺伝情報には、(AO型におけるOのように)持ってはいても性質として発現していないものもたくさんあり、逆に言うと「見えて」いないけど保因している遺伝情報というものもたくさんあります。
そのうえ、親から子へは半分(23対からそれぞれ1本ずつ選ばれた23本)しか遺伝情報が引き継がれないわけですから、「一族みな〇〇な家系同士の結婚」とかでない限り、子の代、孫の代と、遺伝的な遺伝的な影響は急速に薄まっていきます(平均への回帰)。確率統計的には、兄弟姉妹間でも遺伝子の共有率は50%、遺伝子型の一致率は25%で、兄弟姉妹でも性質が異なるのは血液型が違うのと同様にごく当然のことです。

ちなみに、自分のご先祖様ってどのくらいの人数いるか考えたことがありますか?あいだみつをさんの「いのちのバトン」にもありますが、親は2人、祖父母で4人、曾祖父母は8人…と倍々で増えていくので、1世代=25年として計算して、20世代前(約500年前)で約100万人、30世代前(約750年前)で約10億人、40世代前(約1000年前)で約1兆人ということになります![]()
あれ?1000年前の日本の人口って(世界人口まで拡大しても)そんなにたくさんいましたっけ?という…(笑)
要するに、ご先祖様はかなり重複しているということです。近親婚も多かったのでしょうし、あなたのご先祖様と私のご先祖様も、遡ればどこかでたくさん重複しているでしょう(地球上の誰もが他の誰にとっても少なくとも50番目のいとこと言われています)。
で…
また例によって書き始めたら長くなってしまい、書きたかったことにたどり着く前に時間切れになってしまいました
今日はただのトピックスということで、次回にまた続きを書きます![]()
オックスフォード大学やUCバークレーで活躍したドーキンス博士の著書「利己的な遺伝子」。知的好奇心が旺盛な人にはこの本はとても面白いと思います。私たち生物は、「遺伝子」が少しでも自分のコピーをたくさん残したいという「利己的な」ふるまいを実現するための「乗り物」に過ぎない、という斬新な生命観を提唱するものです。私は大学生の時にこの本を読んで世界観が揺らぎました(笑)
福山雅治 / 生きてる生きてく
そうだ僕は僕だけで 出来てるわけじゃない
100年 1000年前の遺伝子に 誉めてもらえるように
いまを生きてる この生命でいまを生きてる 今日も生きてく