「墜落遺体」についてすこし |      生きる稽古 死ぬ稽古

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ー毎日が おけいこ日和ー
        

なんとも禍々しいタイトルのこの本は

群馬県警察官である飯塚訓(いいづかさとし)が

日航機墜落便の遺体確認捜査の責任者となり

身元確認作業にあたった127日間が

詳細に書かれたものです。




あ、もし繊細な方は読まないでくださいね。

むごたらしい描写が多いです。


とてもイヤな言い方から入りますが

夏場にエビやイカなどを調理して

殻やワタなど台所に放置しようものなら

凄まじい臭いが家中に充満しますよね。


それの何十倍、何百倍の悲惨なことが

しかも人間の体を使って起きてしまいました。

それが墜落遺体です。


有機物が高度から落下した時に

その遺体がどのようなことになってしまうのか?

そのやり場のない現場で

夏から冬にかけて、確認作業が続けられました。


そのむごたらしい確認作業について

詳細に綴られたこの本ですが

これは電車の中などで読むと危険です。

まわりが引くくらい

泣けて泣けてしょうがない。


〈物〉と化したソレを

ていねいにていねいに水洗いして

内側からそおっとめくっていって

皮膚や髪の毛を見つけ出すことや


隣り合った乗客の体が

お互いにめり込んでいるのを

取り出していくことなど


墜落遺体の確認作業とは

この世のものとは思えない

地獄のような仕事だったのだということが

よくわかります。


けれどもそれと同時に

遺族の方々や医師や看護士のみなさん

遺体確認や搬送などに関わったみなさんなどの

人間ってここまでできるのか!

という、

極限のヒューマニズム

もまた事実としてあって

縁もゆかりもないワタシタチが

素通りしてきてしまった大事件は

実際にはこんなことが起きていたんだという

その事実にあらためて驚愕させられるのです。


読み返すだけで泣けてくるんだけど

どこもここも、凄すぎるんだけど

そんな中から一部だけ

部分抜粋しておきます。


長い髪の毛に顔の片側部分の皮だけがついている離断遺体があった。看護婦は髪を洗い、櫛で溶かし、顔の皮膚を裏側から手を添え、ガーゼを用いて和紙に付着した汚れでも落とすようにそっと拭く。强く拭くと表皮が破れてしまうからだ。ファンデーションで化粧をほどこし、三分の一ほど残っている口唇にも薄く紅をさした。





人が人であるというのは

いったいどういうことなのか?

とても考えさせられる一冊です。