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日本中の駅を旅する 駅と駅舎のブログ

 日本中の駅を旅したいというあなたのために、有名木造駅舎から無名のホームだけの駅まで、1駅1駅ご紹介して、各駅下車の駅めぐりをしている気分を味わっていただくブログです。
 空旅、企画旅、鉄道クイズもあります。

熊本駅からわずか2駅、そこに、時代をくぐり抜けてきた木造駅舎があります。
九州新幹線の高架を背負いながら、いまも鹿児島本線を支える…それが川尻駅です。
「水と歴史と職人の町」川尻を歩き、酒蔵、加勢川、旧熊本電気軌道の痕跡、そして駅チカグルメまで――静かな町に息づく物語をめぐりました。





川尻駅|駅舎と駅前


川尻駅は1895(明治28)年開業。鹿児島本線の歴史ある駅です。
熊本駅〜宇土駅間の中間駅として長く地域交通を支えてきました。
現在の木造駅舎は大正期の建築とされ、改修を重ねながら現役で使用されています。


駅舎


横長の木造駅舎が残る駅です。

大都市・熊本の中心駅、熊本駅からたった2駅でめぐり逢える木造駅舎です。

背後の高架は九州新幹線で新旧のコントラストが印象的です。


駅前


同じ熊本市南区にある駅ですが、前回の西熊本駅とは趣が異なり、駅前は古くからの住宅地です。

「郊外」というよりは、旧街道沿いの歴史ある町の玄関口という印象です。

静かな駅前ですが、駅から国道3号線までは徒歩約5分(約400m)で幹線道路に近い立地となっています。

なお、川尻地区にはかつて熊本市内を結ぶ熊本電気軌道の路面電車が走っていました。


川尻駅|駅内部


では駅の中に入ってみましょう。


待合室


待合スペースはベンチがあるだけです。

ディスプレイにあるのは地酒でしょうか。
綺麗な水が流れているのでしょう。

川尻は「水と歴史と職人の町」と呼ばれます。
白川水系の豊かな伏流水に恵まれ、酒造りや刃物鍛冶、桶・指物などの職人文化が育ちました。
江戸時代には薩摩街道の宿場町として栄えた歴史もあります。


きっぷうりば


自動券売機が1台あります。

この自動券売機はモニター式ですが、SUGOCAのチャージには対応していません。
出札窓口は閉鎖されており、川尻駅は現在、終日無人駅となっています。

窓口左のモニターは、リアルタイムで列車走行位置が分かるもので、JR九州アプリと同仕様のものです。


改札


改札にはSUGOCA簡易リーダーが1台設置されています。

その左には直立式SUGOCAチャージ機があります。

このチャージ機はSUGOCAのほか、全国相互利用対応ICカード(Suica・ICOCA等)にもチャージ可能です。



川尻駅|構内


構内(八代方面)


2面2線。中央の線路は撤去されており、かつては2面3線だった構内の名残があります。

二つのホームは跨線橋で結ばれています。


構内(門司港方面)


ホーム屋根は長く、利用者が多いことがうかがえます。

熊本都市圏の通勤通学需要を支える鹿児島本線の駅です。


構内から見た駅舎裏側


駅舎は補修や改装を重ねていますが、裏手には下見板張りの古い外壁が残っています。

改築木造駅舎を訪問して、このような裏手にまわってみると、その駅舎の昔からの姿を発見することができることがありますよ。


跨線橋


跨線橋は付け替えられたようで、鉄骨造の比較的新しいものです。


ホームから見た駅舎


跨線橋を渡って熊本・門司港方面ホームから見た駅舎です。

ホーム屋根が大型なので、駅舎は控えめな存在に見えます。


九州新幹線の高架橋


西熊本駅とは違い、地表から見上げる構図となっているため、走行中の新幹線の姿を見ることはほとんどできません。

高架下には、かつて多くの留置線が広がっていました。


駅名標


両隣の西熊本駅・富合駅はいずれも九州新幹線開業後に整備された比較的新しい駅です。

駅名標のイラストはなんでしょう?薩摩街道の宿場町として栄えた川尻の街並みをモチーフにしたものでしょうか?


川尻駅|平成15年頃の姿


ここからは20年以上前の川尻駅です。


駅舎



もちろん現在と同じ駅舎です。

夕方の訪問だったためかタクシーが多く、駅前にはタクシー乗降用アール屋根も設置されていました。

現在の方が駅舎撮影はしやすい印象です。


出札と改札



当時は有人駅で、改札ラッチもありました。

昔のほうが賑わっていた印象がありますが、1日平均乗車人員は

・平成15年度頃:約1,300人前後
・近年:約1,000人前後

となっていて、やや減少傾向にあります。

ただ、訪問時間帯の違いのせいだと思っています。


古い看板


駅長室の看板はかなり古いものでした。

令和の訪問時には確認できず、撤去された可能性もあります。


構内


当時の跨線橋です。

島式ホーム奥の階段は現在閉鎖されているようです。

外側にはまだ九州新幹線工事前で、広い留置線が広がっていました。


駅名標


国鉄時代の面影を残す駅名標。

当時は熊本駅を出ると、宇土までの中間駅は川尻駅のみでした。


川尻駅|駅近くのみどころ


 瑞鷹(ずいよう) 川尻本蔵

川尻駅から徒歩約10分

熊本の老舗酒造です。
伏流水を活かした酒造りを続けています。
3月上旬の新酒祭りが人気で、熊本の御国酒「赤酒」が名物です。

試飲はできますが見学ツアーは、事前予約が必要です。

近くには工芸体験ができるくまもと工芸会館もあります。


赤酒はこちらで




川尻史跡公園・加勢川沿い

川尻駅から徒歩約15分
鹿児島本線を八代方面へ、加勢川を渡る鉄橋の手前にある薩摩街道の宿場町として栄えた川尻の歴史を感じられる一帯。

熊本藩川尻米蔵、川尻御蔵前の船着場、御船手渡し跡など鹿児島本線を挟んで史跡が点在します。

町並みに往時の面影が残ります。



川尻駅|駅チカ グルメ・スイーツ


香辛道カレー

川尻駅から徒歩約5分
スパイスにこだわった本格派カレー専門店です。

店名のとおり「香辛料の道」を追求するスタイルで、ルーはさらりとしながらも奥行きのある味わい。

木造駅舎の余韻のまま、歴史ある町並みの中でいただくスパイスカレーは、旅先でいただいていることを忘れさせてくれそうです。


肆方山弦楽堂(しほうざん げんがくどう)

川尻駅から徒歩約6分
落ち着いた佇まいのカフェ・喫茶店です。

店名のとおり、どこか音楽や文化の香りを感じる空間。
ランチプレートや洋食メニュー、スイーツも評判です。

歴史ある川尻の町に溶け込むような雰囲気で、駅訪問後にゆっくり余韻を味わうのにぴったり。

観光地化されすぎていない、“地元に愛される一軒”という印象です。


この2店、方向性がまったく違ってバランスいい感じ、

・スパイス系ランチ
・落ち着きカフェ

できれば両方行ってみたくなっちゃった、欲張りな私です。

そうだ、ご紹介した見どころスポットにグルメ、それに旧熊本電気鉄道の痕跡もたどれる、おすすめルートを作ってみましょう。


JR川尻駅から歩く、歴史とグルメのまち歩きコース


熊本市南区にあるJR川尻駅。
大きな観光地というわけではないけれど、歩いてみるとじわっと魅力が広がる町です。

今回は、川尻駅をスタートして、歴史・川辺の風景・そしてグルメを楽しむ、のんびり散策コースをご紹介します。


川尻駅をスタート

駅を出ると、どこか時間がゆっくり流れているような雰囲気。
派手さはないけれど、落ち着いた空気が心地よい町です。

ここから歩いて、まずは川尻らしい風景へ向かい左手(南側)に向かいます。


酒蔵の町並みを歩く

川尻は古くからの酒どころ。
白壁の建物や昔ながらの町家が残り、歴史を感じる通りが続きます。

大きな観光地のような賑わいはありませんが、静かに町並みを眺めながら歩く時間はとても贅沢。

「こんなところに、こんな建物があったんだ」と、小さな発見が楽しいエリアです。


ここでは、伏流水の町・川尻を感じていただきましょう。

老舗酒蔵(瑞鷹など)が点在。
・白川水系の水
・職人文化
・薩摩街道の宿場町

などを感じることができます。


加勢川沿いでひと息

ほどなく、町を抜けて加勢川へ。

川沿いに出ると視界が一気に開けて、気持ちまで軽くなりますよね、さらに、季節ごとに違った表情を見せてくれるのも魅力。

町と川が近い――これも川尻の特徴のひとつです。

川尻は水運の町でもあったことの証です。


ここでは、鹿児島本線と九州新幹線が渡る加勢川、特に鹿児島本線が渡るトラス鉄橋、川岸の古い石垣に歴史を感じていただきましょう。

加勢川周辺には
・船着場跡
・町屋の名残
・史跡公園
が点在しています。


旧電車通りを歩く

反時計回りに移動し、県道50号線の東側に並行する「旧電車通り」。

大正末期から昭和初期にかけて開業した旧熊本電気軌道の軌道路線の廃線跡です。
起点は熊本市内の河原町で、熊本市電に合併したのち市電と接続されるようになりました。
昭和40年に廃止となっています。

いまは往時の痕跡を探すのは難しい住宅街の道路ですが、かつてここに電車が走っていました。

ゆるやかなカーブや整った道幅に、当時の面影が残っています。


ここでは、Googleマップのピンの地点にある、駅跡を示す記念碑を探してください。

住宅の脇にひっそりと建っています。

大きく語られることは少ないけれど、この町にも確かに“鉄道の歴史”があったことを感じられる場所です。

ほんの少しだけ昔に思いをはせながら歩くのも、まち歩きの楽しみですね。



お楽しみのグルメタイム

歩いたあとは、川尻グルメ。

スパイスが効いた「香辛道カレー」でしっかりランチも良し。
町の和洋菓子店でスイーツを楽しむのも良し。

派手なチェーン店ではなく、地元に根付いたお店が多いのも川尻の魅力です。


川尻駅へ戻って

ぐるっと一周して、約1.5〜2時間ほど。

・歴史ある町並み
・川の風景
・旧電車の面影
・そして地元グルメ

コンパクトながら、意外と満足感のある散策コースです。


有名観光地の雑踏にもまれなくても、身近な町にちゃんと物語がある。

そんなことを感じさせてくれる川尻。
ぜひ、のんびり歩いてみてくださいね。



川尻駅|まとめ


明治28年開業の川尻駅。

大正期の木造駅舎と九州新幹線の高架が並ぶ光景は、この町の時間の積み重なりそのものです。

薩摩街道の宿場町、水運の町、職人の町。
そして、かつては熊本電気軌道も走っていた鉄道の町。

観光地として大きく知られる存在ではないけれど、歩けば歩くほど輪郭がはっきりしてくる川尻という町。

熊本都市圏の通勤駅でありながら、歴史の層を今に伝える川尻駅。

次に熊本を訪れるときは、ぜひ途中下車してみてください。


(平成15年11月、令和7年4月訪問)





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川尻駅情報

所属:JR九州
開業:明治27年8月11日

場所:熊本市南区
形状:木造駅舎
乗換:なし

詳しい駅情報・時刻表は、JR九州駅情報|川尻駅

 

札幌駅、東京駅、名古屋駅、大阪駅、高松駅、博多駅から川尻駅へのアクセス

札幌駅から:20時25分着 所要時間14時間25分 50,960円 新函館北斗・東京・新大阪・熊本乗換

東京駅から:12時21分着 所要時間6時間06分 26,650円 博多・熊本乗換

名古屋駅から:10時48分着 所要時間4時間28分 22,150円 博多・熊本乗換

大阪駅から:9時45分着 所要時間3時間59分 19,070円 新大阪・熊本乗換

高松駅から:9時45分着 所要時間4時間10分 18,390円 岡山・熊本乗換

博多駅から:7時19分着 所要時間1時間09分 5,750円 熊本乗換

 

*データはNAVITIMEで検索したもので、平日、鉄道だけで最も早い時間(最速ではありません)に到達できる時間と料金です。

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