2026/10/22
スペイン北部をむかし徒歩で巡礼したことがある。
そのとき巡礼沿いにある村々がだいたい5kmおきに点在していたことを思い出す。
スペインの人たちはむかしは生活のために毎日5kmから10kmぐらいは歩いていたのだろうと想像させた。
歩くというのが基本だ。
もちろん馬やロバなどでの移動もあっただろうが。
長生きになってきたのは、きれいな飲料水が飲めるようになってきたこと、栄養価の高いものが日常食べられるようになったからだ。
それに加え、日常生活では体を動かす、歩くということは当たり前のことであった。もちろん日本でも。
で、
歩くことについての研究があった。
なかなかためになる。
ーーーーーーーーーー
「栄養ニューズオンライン」掲載の同講演(演者:青栁幸利氏、東京都健康長寿医療センター研究所/第30回腸内細菌学会学術集会 市民公開講座)の要点は以下の通りです。
中之条研究とは
- 群馬県中之条町で25年間継続してきた疫学調査(約5,000人規模の住民追跡に基づく研究)
- 中之条町は現在、群馬県内で医療費の低さ第2位、全国自治体でがん死亡率の低さ第2位、認知症有病率も極めて低い水準
歩数・中強度運動による病気予防(段階的な目安)
- 12,000歩+中強度運動40分/日 → 肥満予防
- 10,000歩+30分 → メタボ予防
- 9,000歩+25分 → 高血糖・高血圧の一歩手前の状態の予防
- 8,000歩+20分 → 大半の主要な病気の予防可能性が高まる(これを超えると効果は概ね頭打ち)
- 7,000歩以上 → 大腸がん・肺がん・乳がん・子宮内膜がん等の予防
- 5,000歩・7.5分(あるいは4,000歩) → 閉じこもりを防ぎ、うつ病・要介護・認知症などQOLと医療費に最も影響する疾患群の予防確率が高まる
- 国際ガイドラインで近年、運動による膵臓がん・肝臓がんの予防効果も追加(膵臓がんは早期発見困難なだけに有意義と強調)
運動の実践方法
- 中強度=「息が切れず、なんとか会話できる程度」
- 連続30分歩かなくても、1日の中で5〜10分の「細切れ運動」を複数回でも健康効果は同等
- 自転車や水泳を組み合わせてもウォーキングと同様の効果が期待できる
乳酸菌(シロタ株)摂取の効果
- 長期(5〜10年)摂取者の腸内細菌叢は極めて安定(一方、高齢者の約10人に1人は腸内細菌叢の構成が1年で劇的に変化)
- NK(ナチュラルキラー)細胞の活性を高める免疫調節効果。体内の免疫細胞の約70%は腸管に集中
- 免疫は例年1月(気温・体温低下時)に最も落ちるが、この時期に運動+シロタ株摂取でNK細胞活性を大幅に向上可能
- 風邪・インフルエンザの発症率低下も実証(新型コロナへの直接検証はなし)
運動×乳酸菌の相乗(相加)効果
- ①飲まない・歩かない、②飲むが歩かない、③飲まないが歩く、④飲んで歩く、の4群比較で歩行速度は①→④に向かって右上がり
- ④(週3日以上のシロタ株摂取+1日7,000歩以上)と①との間には「22歳分の機能差」に相当する差(女性でも同様に再現)
結論
- 健康長寿・フレイル予防の鍵は「日常的な適度な運動(1日7,000歩以上)」と「乳酸菌製品の継続摂取(週3日以上)」の併用に尽きるとの主張
なお、シロタ株に関する部分はヤクルトとの関連が深い研究である点、また「すべての病名で個別立証が完了しているわけではない」と演者自身が述べている点には留意が必要です。




