●この世界に「悩み」などない


こんにちは、岩崎佳子です。


10月も後半に入り、これから秋も深まろうという季節。


食欲の秋であるとともに、芸術の秋、学問の秋、でもありますね。

ちょうど1年前のこの季節から、私は哲学を学んでいます。

今日は、哲学の視点から、いつも以上に率直に伝えていこうと思います。


この世界に「悩み」などない。

これは、事実です。

「いや、事実、こんなに悩んでいるのに?」と思うかも知れません。

でもその悩みは、私たちが言葉で生活しているからこそ、あたかも「ある」かのように錯覚しているものです。

私たちは言葉で生活している以上、この錯覚から逃れることは出来ません。

この錯覚が、「いや、事実、こんなに悩んでいるのに?」という体感につながっているのです。


私たちは心理学者が作った言葉によって自分の中に悩みを自覚し、心理学者が作ったストーリーによって、その悩みを解決しています。

その心理学も、哲学から派生しました。

心理学では、事実を分析したストーリーからあなたの解決の道筋を決めて行きます。

一方、哲学は、誰かに似たケースからの分析ではない、存在に向き合います。

悩みの解決の質は、まるで違う世界観となります。

 

似ているようで、方法とスタート地点が違うからです。

たとえば、フロイトという、あまりに有名な精神科医がいますよね。

現代の心理学も、自己啓発などの成功哲学も、流派はそれぞれあっても、このフロイトをベースにしています。

「無意識」に焦点を当て、そこから問題を解決しようとする世界観です。

しかし、哲学の世界では、フロイトがまだ生きていた時代から、フロイトの盲点を突く哲学者が現れます。

ジャック・ラカン。


フランスの哲学者です。

驚くのは、彼がフロイトを継承しながらも、「無意識」の構造にメスを入れた点です。

そして「言葉で認識出来ない」とされる「無意識」が、「言葉で出来ている」ことを解明したのです。

さらに、セラピストによる「自己分析」には意味がないと断じ、「あなたを苦しめている言葉の性質はどうなっているのか?」という視点から、人が悩む構造を追究しました。

これ、100年以上前の話です。

そんなラカンが出てきたかと思うと、すぐに新たな巨星が登場します。

ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン。

 


オーストリア生まれで、ヒトラーとは同窓生でもありました。

彼もまた無意識の妄想を捨て、われわれひとりひとりが「言葉によって見せられている世界」の構造を見極めました。

ウィトゲンシュタインも、100年以上前の人物です。

無意識に触れるからこそ、心理学は悩みを解決していきます。

でも無意識の世界に悩みの原因がある、というスタートは、この世界に「悩み」がある、ということからは抜けられません。

「悩み」は、言葉によって見せられている世界。

この世界に「悩み」はないというスタートに、私たちも遅ればせながら立つ時が来ています。


哲学のお話は、こちらにも続きます。

 

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