前回、親子関係のトラウマ①その影響をお伝えしました。

健全な子育てが機能しない家庭であっても、子供はその環境で何とか生き延びようと実にけなげに努力をします。

その結果、次のような人格を身につけて、子供は家庭の中で自分の役割を担おうとするのです。

1.優等生

「優秀な子」「しっかりした子」として評価されるために身につけた人格です。

責任感が非常に強く、周囲のまとめ役をつとめるために努力します。

周囲に評価されなければ自分の価値はないと考え、「もっと努力しなければ」と常に自分を追い立ててしまいます。

息抜きをしたり、無邪気になって遊ぶのが苦手です。


2.問題児

自分が起こす問題によって、家族の本質的な問題から目をそらす役割を果たそうとして身につけた人格です。

ルールを無視した行動で自分の存在を目立たせようとします。

家庭でも学校でもトラブルを起こします。

怒りにまかせて相手を非難攻撃し、ちょっとしたことで周囲との関係がこじれてしまいます。

心の奥底では「自分の淋しさや傷をわかってくれる人など、誰もいない」と、常に孤独を感じています。


3.いないふり

家族の争いの火の粉が自分に降りかかるのを防いだり、自分が受けるべき注目や愛情を他人にまわして家族を安心させるために身につけた人格です。

家庭でも学校でもなるべく目立たないように行動し、大勢でいるよりひとりでいる方を好みます。

周りは「あの子は放っておいても大丈夫」と安心しますが、本人は「自分は重要でない」「生きてる意味がない」と、常に孤独を感じています。


4.ひょうきんもの

おどけて見せて家族の緊張感を和らげ、家族の本質的な問題から注意をそらすために身につけた人格です。

自分の辛さや弱さを周りに悟られないように努め、場がシラけたり、気まずい雰囲気になると非常に不安を感じます。

周りからは「落ち着きのない子」と見られがちです。

「明るく」「軽く」ふるまう一方で、「本当の自分を誰もわかってくれない」と感じています。


5.お世話やき

「優しい子」「思いやりのある子」として、親の愚痴を聞いたり面倒をみながら、家族の問題を何とか解決しようとして身につけた人格です。

自分勝手にならないよう、してほしいことがあっても我慢し、困っている人がそばにいると放っておけません。

自分を優先するのは、わがままでいけないことのように感じます。

相手が何を望んでいるのか、非常に敏感に感じ取ることができます。

自分が何をしたいのか、何を感じているのかが、わからなくなる不安を抱えています。


6.人形

親から人形のように溺愛されることによって身についた人格です。

溺愛と言っても本当の意味で愛されているわけではなく、実際は親にとって都合のいい人格や意思を持つこと以外は許されず、常に人格を否定され続ける存在です。

この役割を背負った子供は自由に楽しい子供時代を過ごすことが出来ず、「親の望んだ通りにしないと嫌われる」という恐怖心に常に苛まれています。


以上の人格は決して子供の個性ではなく、機能不全家族の中でやむを得ず身につけた人格に他なりません。

つまり、自分らしさとはほど遠い人格なのです。

それゆえに、表面上は良く見えても常に「生きにくさ」を感じてしまいます。

兄弟がいる場合はそれぞれが違う人格を分担しますが、ひとりっ子の場合は、すべての役割をひとりで背負うことになります。


かくも生きにくい人生を強いられ、その原因が親にあると知ることは、たいへんな苦しみを伴います。

しかし、前回も述べました。

親子関係のトラウマは、必ず改善します。


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