その子はおそらく、何らかの発達障害を抱えています。

筆圧や表情、口調でそう察することが出来るのですが、ご家庭が学校側に明かしていなかったり、または、診断が見送られているケースは少なくありません。

でも、今日みなさまにお伝えしたいことは、そういうことの、診断についてではありません。

おそらく、これまで何らかの「生きにくさ」を抱えて来たであろう彼の、生きる力についてです。


彼は、とにかく明るいのです。

表情はどんな時もほとんど変わらないのですが、存在そのものが、明るい。

そして、授業中は何事にも積極的で、ほんとうに楽しそうなのです。


そんな彼に、ある授業の後、「いつも楽しそうね!」と声をかけたら、


「自分が朗らかにしていたら、みんなも朗らかになるから、そうしてます。」


困ったことがあっても、辛いことがあっても、そうやって乗り越えているのだそうです。

見た感じでは、今の彼には辛いことは降り掛かりそうにないくらい、彼はクラスメートからも大切にされ、また、彼の周りには笑いが溢れています。

でも、もしかしたら彼は、ものすごく辛い小学、中学生活を送ってきたのかも知れません。

彼は付け加えました。

「音楽といっしょです。」

そう。人の心を楽しく明るくする音楽といっしょよね、と私も賛同しました。

そうしたら彼は最後に、「先生はいつも音楽と一体化していますね。」だなんて、私にとっては最高に嬉しい言葉を投げかけてくれて。

そんなやりとりの後、お互い次の授業に向かいました。


彼の言葉にほんとうに沁み入り、そして、はたと気づきました。

彼が言った「音楽といっしょです。」という言葉。

私も10代の時、たとえ現実が苦しくても、音楽を聴くと、「でも、世の中にはこんなに美しいものがある!」と心を奪われたものでした。

そのように心を奪われながら、音楽の喜びは決して現実逃避では終わりませんでした。

心を奪われるほどに、歓喜する音にも絶望する音にも光があり、その光は、現実の苦しみの中にも同じように存在するのだと確信していったのです。

それは、「世の中の一切は、善である」と言いたくなるような、力強さでした。

彼の「音楽といっしょです。」という言葉には、彼の深い淵を見るような思いがしました。

そしてその淵はどこまでも明るく、光が射し込んでいました。


彼はいつ、どのように、その朗らかさを身につけたのでしょう?

自分自身で?

ご両親が、彼を守るために言って聞かせていた言葉なのか?

ともかくも、彼は自分のそのままの姿で自由に振るまい、理解を他人に求める前に、自分から周りに働きかけて、朗らかさを振りまいています。

学習面でも学級活動でもいつも積極的に前に出て来て、それはちょっとコミカルで、その丸ごとが、みんなから愛されています。


心打たれた7月7日の大阪でのコラボセミナーでは、講師のおひとり、守田のり子さんが力説していらっしゃいました。

多くの人生、さまざまな生き方を見つめて来られた中で、


「何はなくても、笑顔がいちばん大切!」
と。


私も、見習います^^



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