「音楽療法」という言葉を、みなさんも聞いたことがあると思います。

「音楽療法」とは、幼児、高齢者、不登校児、発達障害者、身体障害者、薬物等依存者、高次脳機能障害者などに対し、音楽によって心身の健康増進、生活の質(QOL)の向上をはかるもの。

…と、ネットで検索すればこのようなことが出て来るはずです^^

今日は「音楽療法」によって現れた子供の変化について、一例をお話ししましょう。



ほぼ全身が不自由で、「唯一動かせるのが足先だけ」という4歳の女の子。

耳は聴こえます。

音楽療法士の演奏を聴いて、それに反応して女の子が足先でタンバリンを叩けるよう、促します。

音楽を聴くという楽しさと、タンバリンを叩いて自分も能動的に演奏する楽しさを初めて知っていく女の子。

次第に表情も豊かになって、医師たちもその効果を評価し始めます。



そんなある時、女の子がほんの一瞬、自分の母親をキーーッと睨みつけたのです。

それは彼女が初めて見せた顔でした。

そして母親は初めて気づくのです。

わが子を「可哀想な子」として接していた自分の心に。

娘が自分を睨んだのは、「私は可哀想な子なんかじゃない!私はお母さんのお荷物じゃない!」という訴えなのだと…。



さて、言葉を発することが出来ない女の子の本当の気持ちは、誰にもわかりません。

しかし、この治療の周囲には、女の子を見守る音楽療法士、医療スタッフ、そして母親の、出来事を冷静に受け止めようと努める姿勢がありました。

女の子が母親を睨んだ姿を見て、それをマイナスと捉えてしまえば、治療はそこでストップしてしまいます。

このケースでは、女の子も母親も以前に増して生き生きと、治療にも生活にも改善が見られるようになったのでした。

そもそも彼女が怒りを表わすことが出来たのは、いつも傍にいてくれる、心を許せる母親の存在があったからこそでしょう。



相手が子供であれ、大人であれ、人が自分の深いところを揺り動かされてそこから成長しようとする時、いろんな感情が湧き出すことがあります。

喜びも、怒りも、過去の悲しみも。

周りの者にとって、その感情を受け止めることは、簡単なことではないかもしれません。

受け止める側の痛みもあることでしょう。

でも、受け止めてもらうことで成長し、同じく周りの者も進むことが出来る。。


相手の怒りの理由に寄り添うことが、大切なのです。