魔法の言葉を使って、子供も自分自身も、良い方向に導きたいと思いますよね?

それはどんどんそうするべきと、私も思います。

でも、良い言葉の作用って、健康な時にそのありがたみがわからないのと同様、はっきりした効果を掴みにくいということがあると思います。

それに対して、悪い方向に作用した場合…

古来より「言霊」と言われるほどの言葉の影響力を、「まさかこんなことになるとは…!」と、突き付けられます。

たとえば、

「ちょっとふっくらした?」という父親からの何気ない言葉で、激ヤセしても「自分は太ってる」と思い込み、死の寸前で救出された少女の実話がありました。

父親のその言葉が決して悪いわけではないことは、誰でもわかりますよね。

「ちょっとふっくらした?」という言葉も言えないようでは、自然な会話は成り立たなくなります。

だけど、受け取った時のタイミングや本人の性質によって、思いがけない影響を及ぼす。。。




私も経験しました。

クラシックの声楽をずっと習っていて、ある時、指導者も私も納得して、「この課題を習得するまでは、人前で歌ってはだめ。」ということになりました。

私は真面目にそれに従いました。

そして、歌えなくなりました。その状態が10年間。

演奏を頼まれた時に、私は何の悲観もなく、どちらかと言うと前向きに、ただ「(今は人前では)歌えない」「(今は人前では)歌えない」と言い続けただけなのに…

そのとおりに「歌えない」状態になり、魔法の言葉はそのように見事に、役目を果たしていたわけなのです。

逆に、歌えない理由がわかったその日に、10年間どうあがいても歌えなかった歌が、再び歌えるようになったという経験もしました。

これはこれで、キツネにつままれたような驚きでした。

「魔法の言葉」、「言霊」と言われるその力を、身をもって知ったのです。



何が良い「魔法の言葉」で、何が悪い「魔法の言葉」か、それは上に書いたように、ひと目でわかるものではありません。

「褒めたら、伸びない?」に書いたとおりの結果もあります。

プラスに見える言葉が別の作用をしたり、マイナスに見える言葉がプラスの言葉以上に人を発奮させる力になったり、人の心は、ときに繊細、ときに強靭です。

だから何事も、「良かれ」と思ってもそこに固定した盲信は怖いということを、心のどこかに留めておく必要があります。

そして、

相手や自分の様子が「何かおかしい」と感じた時、言葉のかけ方を変えてみる、工夫をしてみる…

そういう柔軟な対応が必要です。





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