自分④
親からの条件は、建てたばかりの家の処分も視野にいれながら、支援を受けた分及び住宅ローンの具体的な返済計画を立てよという内容だった。

当時は、頭の回転が悪く、余り色々と考えるのが、辛い時期だった。にも関わらず、計画をいつまでに出せ、早くしないと自宅の価値が下がるからと、処分前提の回答を強く求めてきた。
頭が回らない中での親からの催促が苦痛でたまらなかった。実際、良い案など思い付かなかった為、精神的にどんどん追い込まれていった。

ところが、ある時を境に催促がピタッととまった。
母が商売をしていて、様々な問題を抱えた時に頼る、スピリチュアル的な方がおり、母と妻とで、僕の事を相談したらしい。
その時に、その方が「今の僕に必要な事は、休息であり、返済計画をせまるのは余りに酷である。直ちにやめなさい」と仰って下さった。
すると、矢のような回答の催促が、ピタッと止んだ。



僕はがっかりした。

あれほど、今はしんどくて考えられないと僕自身の生の声を伝えてきたのに、物事や出来事にばかりをクローズアップされ、僕という人間の今の状態を考慮されていなかった事に、がっかりした。そして、僕よりその方の言う事で僕への態度が変わった事が、残念でたまらなかった。

そこから一気に自分の無価値感が増大し、気持ちが自滅へと加速した。そして解決の方法を一つに絞った。

ある連休の日、日頃子供の相手に加え、僕の相手に疲れているだろう妻に、ゆっくりしてきてというつもりで、実家に行くように促した。

そして、家で一人になった僕は一本のネクタイを取り出し、ドアノブに縛り付け、もう片方を自分の首に巻きつけた。

確かこれでいけると何かで見た。



僕は、首を吊った。