今年でユニクロは創業40周年を迎え、

様々な媒体で取材記事が書かれています。

 

 

その中で私が目に止まったのは

日経新聞がユニクロ会長兼社長の

柳井さんを取材した時のタイトルです。



それは

「ユニクロ40年、体感では3年」。

 

 

会員限定記事なので記事をシェアできませんが

このタイトルだけでも柳井さんが

どれだけ密度の濃い仕事人生を

歩んできたのか…と考えさせられます。

 

 

そしてさらに震えるのは、

そのユニクロの歴史はまだ続き、

そしてさらに成長しようとし続けていること。

 

 

柳井さんは75歳。

一般的には引退している年齢ですが

まだまだ現役で会社を引っ張る

非常にエネルギッシュな人物です。

写真を見ても75歳には見えません




 

本書はそんな柳井さんの

エネルギッシュな仕事人生の始まりから遡り

ユニクロ誕生までのヒストリー、

ユニクロ誕生の裏側、

数回のブームを経てぶつかる暗黒期、

海外進出の光と影、

そして現在に至るまで成長・挑戦を続ける

ユニクロに人生を捧げた人たちの

壮大な歴史がまとめられた一冊です。

 

 

本書は柳井さんだけを取材対象とせず、

様々な人物が登場します。



ユニクロ前身企業の小郡商事の社員たち、

ユニクロ黎明期から支え続けた社員たち、

大きな失敗を経て再起した社員など

ユニクロを成長させるために奮闘してきた

社員たちの人間ドラマが描かれています。

 

 

単行本で490ページ以上あり

文章量に圧倒されますが

ドキュメンタリー映画を見ている感覚で

意外とサクサク読み進められます。

 

 

わたしは1990年生まれなので

ユニクロの成長とともに(?)

成長してきた年代です。

 

 

小学生の頃フリースめっちゃ流行ったよな〜!!

と自分の思い出と照らし合わせて読むこともでき

ユニクロは自分の人生の身近にずっとあるんだな・・

ということをしみじみ感じながら読みました。

 

 

本書でピックアップしたいところは

たくさんありますが、

二つだけピックアップしたいと思います。

 

 

一つ目は

ブログタイトルにもした

「現実の延長線上にゴールを置いてはいけない」

ということです。

 

 

この言葉は柳井さんが感銘を受けた言葉で

アメリカの経営者である

ハロルド・ジェニーンが書いた

『プロフェッショナルマネジャー』という

書籍の中の言葉です。

 

 

本を読む時は、初めから終わりへと読む

ビジネスの経営はそれとは逆だ

終わりから始めて、そこへ到達するためにできる限りのことをするのだ

(ジェニーン「三行の経営論」 本書内138ページより)

 

 

いわゆる「逆算思考」ですが

ビジネスの世界では現実では想像できない

「ぶっ飛んだゴール」を設定することが

イノベーションの元となります。

 

 

柳井さんはユニクロ黎明期に

この言葉に心を打たれ、

「ぶっ飛んだ」ゴールを大真面目に設定しました。

 

 

そのぶっ飛んだゴールとは

シンプルです。

世界一の企業を目指す。

 

 

山口県宇部市の小さな商店で

生まれたこのぶっ飛んだゴールは、

40年で着実に現実に近づいています。

 

 

柳井さんの熱くて壮大な野望は

40年前は周りから失笑されるような

ゴールだったかもしれません。



しかし40年後の今、ユニクロは

誰もが知るグローバル企業です。

 

 

もし現実の延長線上にゴールを置いていたら、

どこかで満足してしまい、

成長が止まっていたかもしれません。

 

 

それでもユニクロは日本で愛される企業に

なっていたかもしれませんが、

柳井さんはそれではいけない、と奮起し

「商売人」から「経営者」へと

転換したのです。

 

 

「毎日、努力さえしていれば

その歩いた先には何かしらの結果が待っていてくれる」

この姿勢ではいけない。と。

 

 

柳井さんの壮大で飽くなき野望に

圧倒されました。

 

 

そして二つ目は

「ユニクロは失敗を糧にし続けている」

ということです。

 

 

ユニクロは海外進出のほかに

様々な事業を手がけ、そして失敗しています。

 

 

わたしは覚えていないのですが

(記憶に残らないぐらいすぐ撤退したのでしょう)

ユニクロは野菜事業を立ち上げて失敗し、

26億円もの巨額の損失を計上しています。

 

 

時期は2000年代。

フリースブームが終わり

さらなる革新的戦略を打ち出すために

社員発のアイデアを採用し、始動したものでした。

 

 

しかし結果は大赤字。

発起人である柚木さんは

責任をとるため柳井さんに辞表を提出しましたが

柳井さんはこう言います。

 

 

「26億円も損して、そんなに授業料を使って

『お先に失礼します』ですか。

そんなのないでしょ。お金を返してください」

(338ページ)

 

 

こう言われた当初、柚木さんは

柳井さんの発言の意図がわかりませんでした。

 

 

この時の柳井さんの真意は

損失を取り戻してほしいという

言葉通りの意味もありましたが



「責任をとることは逃げることじゃない」

「失敗を生かせ、成功するまでやり続けろ」

というところが

一番のポイントでした。



そもそも柚木さんは

新規事業のアイデアを出して立ち上げ、

柳井さんにゴーサインを出させて

始動させたほどに優秀な人材です。



そんな貴重な人材を

一度の失敗で逃したくない。

そんな思いもあったのだと後述しています。



結果、柚木さんの辞表は受理されず、

別の事業の責任者として

再起するチャンスを与えられます。



そこでチャンスをもらった柚木さんは

奮起して着実に成果を出していきました。



その再起した場所とは↓




↑時を経て、柚木さんは

GUの代表取締役社長として

再起することになったのです。

 

 

失敗を失敗のままにしない。

そこから成功のヒントを掴む。



言葉にすると当たり前ですし

柚木さんの例は「失敗は成功のもと」の

最上級版すぎて自分の身の回りに

置き換えにくいかもしれませんが・・



どんな成長企業も、

どんなすごい人も、

やっていることは

「失敗を糧にする」

というシンプルなことで、



成功するまで失敗し続ける

トライアンドエラーを繰り返すから

逆境を乗り越えられるんだ

ということを

思い知らされました。



社会人として大切なことが

この壮絶な人間ドラマに描かせていると

心から思いました。



本書にはこのほかにも描ききれない

人間ドラマがたくさんあります。

みなさんの置かれている立場によって
感情移入する人が違うと思います。


読みどころしかない名作なので
ぜひ気になった方は
手にとってみてください。

 

 

そして本書は社会人の読書会に

ぴったりな一冊です。

 

 

先日いつものメンバーと読書会をしましたが

こういう分厚い本だからこそ

自分で読了しきる自信のない方は

仲間を見つけて課題図書にし、

感想を語り合う会を作ると

本書の内容をより深く味わえるのでおすすめです。