こんばんはー!!
新年だいぶ明けてしまいました^^;
今年もマイペースに更新いたしますが
どうぞよろしくお願いします。
年末年始は寝込んでました・・
紅白、駅伝を見ながら本当の寝正月を
過ごしておりました。
自分の体調もですが
元旦から大きな災害、事故があって
お祝いムードという感じには
あまりならなかったですよね・・
そんな2024年のスタートを経て
今年は家族みんなおおむね健康でトラブルなく
穏やかに過ごせますように・・と
心から思いました。
ダラダラしながら少しずつ読書もしまして
文学部の原点とも言うべき
こちらの作品集を新年一発目に読了しました。
文学の道に触れるなら避けて通れない
文豪・芥川龍之介。
教科書に必ず載っている「羅生門」ほか
数々の名作を発表していますが
彼は35歳の若さで「ぼんやりとした不安」のために
自分の人生を自分で終えました。
今年34歳になるわたしが
改めてこの作品集を手に取ってみて、
社会経験も家庭もなかった学生の頃よりも
芥川作品の奥深さを味わえた気がしました。
本書に載っている作品は
以下の21編。
備忘録のために
簡単なあらすじをつけておきます。
「羅生門」
主人から暇を出され途方に暮れた下人。
荒れ果てた羅生門の楼の上に登ると
とある老婆の奇行を目撃し、
自分の正義感が揺れていく・・
「鼻」
顎の下まである大きな鼻を持つ
禅智内供(お坊さん)は、周りには
気にしていないように見せていたけれど
本当はずっと鼻にコンプレックスを抱いていて・・
「芋粥」
気が弱く周囲からいじられがちな
平凡な男が唯一夢見ていたのが
「芋粥を飽きるまで食べること」。
ある日、殿様の気まぐれな厚意により
男の望みが叶えられることになったが
男は複雑な思いを抱いていて・・
「或日の大石内蔵助」
主人の仇討ちを果たした大石は
話題の人間となっていた。
世間で大石のような仇討ちが
流行っていると耳にするが
不快な気持ちにしかなれず・・
「蜘蛛の糸」
或る日お釈迦様は地獄をのぞくと
善行を働いた罪人を見かける。
彼を地獄から救おうと考え、
一本の蜘蛛の糸を地獄の底に垂らし、
罪人を導こうとしたが・・
「地獄変」
偏屈だが高尚な絵師・良秀の悲劇。
殿様から地獄変の絵を依頼され
のめり込んで制作していたある日、
殿様から良秀が望む炎上地獄を
目の前で見せると言われ・・
「枯野抄」
俳句の聖人・松尾芭蕉の
いまわの際が弟子目線で語られる物語。
師匠との別れに悲しみが溢れるはずが
死後の手続きや自分の立ち回りをどうするかなど、
薄情な気持ちが入り混じってしまい・・
「奉教人の死」
長崎のキリスト教徒の寺院に
身元のわからない少年「ろおれんぞ」がいた。
彼は周囲から慕われていたが、ある日
町の娘が「ろおれんぞ」の子を妊娠したと言い
「ろおれんぞ」は破門されてしまう。
しかし彼は無実であったことがのちに
重大な秘密と共に明らかになる・・
「杜子春」
杜子春という若者は金持ちだったが
全財産を使いつくして途方に暮れていた。
そこに老人が現れ、魔法のように財産の
ありかを教えてくれるが、杜子春は
老人のような仙人になる方法が知りたいと言い
老人と共に修行を行うことになり・・
「秋」
信子は文学の才能があったが
結婚を機に筆を取らなくなっていた。
ある日妹と結婚した従兄の俊吉と会い、
文学への思い、文学論壇を交わした
俊吉との思い出が切なく込み上げてきて・・
「舞踏会」
明治の鹿鳴館で行われた
豪華絢爛な舞踏会で令嬢明子は
とある仏蘭西の将校と出会う。
きらびやかな思い出は30年以上
経っても色褪せず・・
「南京の基督」
ある日本人旅行者は、南京で
金花という少女娼婦に出会う。
彼女は梅毒に犯され仕事を止めていたが
ある時やってきた外国人旅行者が
基督のような顔立ちに見えてきて・・
「藪の中」
藪の中にある男の死体があった。
検非違使が周りに聴き込みをするが
それぞれの言い分にはどうにも
噛み合わない部分があって・・
「トロッコ」
8歳の良平は、トロッコに乗る
工事員に憧れ、毎日眺めていた。
ある日優しそうな工事員がトロッコを押す
許可をくれ、良平は嬉しくて
いつまでも押していたのだが・・
「雛」
家計が厳しくなり、家の雛人形が
売りに出されることが決まったが
わたしは最後にどうしても雛を
並べて眺めてみたくなり・・
「六の宮の姫君」
六の宮の姫君は父母からの寵愛が強く
喜びも悲しみもない慎ましい人生を送っていた。
しかし両親が亡くなったことをきっかけに
姫君の暮らしはどんどん貧しく痛ましくなり・・
「一塊の土」
嫁のお民は息子の代わりに
大抵の野良仕事を請け負う働き者だった。
姑のお住はお民の働きぶりに感心していたが、
やがてお民の働きに合わせた生活に
お住は疲労を感じてきて・・
「玄鶴山房」
とある資産家・玄鶴は病に倒れ、
看病に手がかかることをきっかけに
長年妾にしていた元女中のお芳を
自宅に数日呼ぶことにした。
しかし正妻と娘たちもいるために
家の空気はどうしても重苦しくなり・・
「点鬼簿」
狂人だった「僕」の母、
「僕」の生まれる前に夭折した姉、
病に倒れた父・・
「僕」の人生に関わる死者の記録。
「河童」
ある精神病院の患者が話す、
河童の国に迷い込んだ物語。
河童の生活は人間と似ているが
すこし滑稽で、しかし一方で
人間の滑稽さも思い出されて・・
「歯車」
作家の「僕」はいつしか右目の瞼の裏に
歯車が見えるようになり、
それが「僕」を苦しめている。
歯車だけでなく、世間の僕の評判も
生活のなにもかもが自分を苦しめていて・・
以上の21編です。
長っ!!って書きながら思いました。
ですが名作ぞろいの一冊で
芥川デビュー?にはぴったりの
一冊だと思いました。
「点鬼簿」以降の作品は
芥川自身の人生模様が垣間見え
他の作品とは違う趣がありますが
(文学部時代「歯車」のレポートに
めちゃくちゃ苦しんだ記憶・・w)
どの作品にも
人間の浅ましさと清らかさ
高尚でもあり低俗でもある
というような
人間の両極端な感情、
二面性を感じました。
「羅生門」の下人は
生きるためには手段を選べないから
悪事をしてでも生きねば・・でも・・と
揺れる思いがありましたが
老婆の奇行を目の当たりにして
その思いが一気に変わります。
「枯野抄」の芭蕉の弟子たちは
師匠との別れはすごく悲しいのに
肩の荷が降りてホッとする感覚もあり、
そんな自分の薄情さに気づき
驚いている場面が描かれます。
正義感や恩義を感じる一方で
利己的な思いも拭えなくて・・
という、相反する感情に揺れる姿が
どの作品にも描かれていると感じました。
そんな矛盾した感情を抱えながらも
人前では利己心などないように振る舞う
人間の「滑稽さ」を皮肉に描いたのが
「河童」なのかなと思いました。
芥川のその後の人生を考えると
芥川は人間の浅はかさ、浅はかな気持ちを
隠そうとして隠せない滑稽さが
嫌になってしまったのでしょうか。
そんな人間に向き合い、
書き続けることも嫌になって
しまったのでしょうか。
嫌になってきたけれど
妻と3人の子どもがいて
生活のためには書き続けなくちゃ
いけなくて・・
休みたいけど休めなくて
うまく夜も眠れなくて
どんどん追い込まれて・・
という感じだったのかな・・と
リアルな想像をめぐらせました。
芥川が人生を終えた時の年齢は
35歳で、夫と同い年。
芥川の一番下の子は2歳で
今の我が子と同い年。
我が家は家族として
「まだまだこれから」というときです。
そんなときにパートナーとの別れ・・
想像したくもないです・・
芥川の文豪人生はかなり熟して
いたのかもしれないけれど、
家族としての人生は
「これから」だったはずなのに・・
芥川の追い込まれている軌跡が見える
「歯車」を読みながら
芥川の妻の文さんの立場を想像して
胸が痛みました。
芥川文さんの追想集・・
ちょっと読んでみたいです。
死後90年以上経っても
(2027年で100年になります)
読み継がれている芥川作品は
我が子の代でも教科書に載っている
と思います。
学生時代は
「なんか暗くて怖い話だな・・」
としか思えなかった「羅生門」を
時を経て読むと
人間の本性をより感じられたような
そんな気がしました。
学生時代に読んでも
まだまだピュアだから
「怖い・・」としか
思えなかったのかも。
人生経験を積んで
いろんな人を見て
人間の汚い部分も知ったことで
「羅生門」のグロテスクさを
ようやく受け止められた
ような気がします。
長い人生、生きていれば
人間の(自分の)浅ましさ、汚さに
向き合わざるを得ないので
心の準備として大人になりきる前に
「羅生門」のグロテスクな感情に
触れておくのはある意味
大切なことかもしれません。
我が子が読むとしたら10数年後?
まだ載ってるかな?w
めちゃめちゃ遠い未来ですが
いつか感想を語り合いたいです。
(その時までこのブログを
続けられていたら嬉しいな)
あらすじをまじめに書いたら
ブログがものすごく長くなっちゃいました。
ここまで読んでくれた方へ、
いち主婦の感想を読んでくださり
ほんとうにありがとうございました^^
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