タイトルに惹かれて買った、
芥川賞作家の小川洋子さんと
心理学者の河合隼雄さんの対談集。
お互いやわらかな口調で交わされるのは
「生きる」とはどういうことか?
という深〜い話。
母親になって1年8ヶ月、
いろんな豊かさと温かさを得た反面
不自由さやうまくいかなさも
ひしひしと感じているのですが
「うまくいかない」と思ってからが
人生の本番なのかもしれない、と
人生の大先輩方の言葉をなぞりながら
考えさせられました。
本書は小川洋子さんのベストセラー
『博士の愛した数式』の感想を
語るところからはじまり
子どもの目線の尊さや、
他者と信頼関係を築いていくために大切なことや
意識しておくべきことが
二人の口から語られていきます。
特に河合さんの語り口はとてもおおらかで、
多くを語っていないのに
語る言葉はハッとさせるものばかりで、
母親としてこんな器の広い人間でありたい・・と
唸らされました。
河合さんは臨床心理のスペシャリストとして、
「相手の言葉を先回りしない」こと、
「(守秘義務のために)抱え込む強さがいる」こと、
「偶然に頼る」こと、
「忘れてしまう」ことの大切さを語っています。
わたしが特に響いたのは
「待つ(先回りしない)」ことと
「忘れる」ことです。
先回りしないというのは
相手の感情を勝手に推測しないこと。
相手の言葉を待つことはもちろんのこと、
子どもの場合は「言葉にできない」こともあるから
なおのこと「勝手に言語化しない」
「言語化を強制しない」
根気強さが大切だとおっしゃいます。
先回りしてああでもないこうでもないと
言ったところで相手はさらに
口を閉ざしてしまうだけだから・・と。
そうだよねぇ〜〜とうなずきつつ、でも
待つのってすごく難しいんだよね!!と
真逆の感情がぐるぐる行き交いました。
わたしは沈黙が本当〜〜に苦手で
黙ったままでいることに耐えられずに
すぐ声をかけたり「大丈夫かな?」って
態度が顔に出ちゃうタイプ。
でもこういう動作がウザいと思う人も
絶対にいて、というか
夫がこういうタイプで汗、
喧嘩したときの沈黙の空気が
まじで嫌すぎて。。。
二度と思い出したくないくらい。
だけど、、
「沈黙するタイプの人」を家族に持つ以上
「先回りしない」「待つ」訓練は絶対に必要だと
改めて痛感&反省させられました・・。
河合さんがすごいのは
相手の沈黙をしっかりと受け止めつつ、
「話しても話さなくてもOKだよ〜」という態度を
オープンに示していること。
その態度が「心から」のものであるから
(うわべの態度はすぐわかってしまう)
相手は放置されてるんだ、と思わず
自分の意思を尊重してくれていることが伝わり
心を開き、徐々に話していくように
なるのだそうです。
このおおらかさと余裕は
知識と経験のたまもので、
河合さん自身も「歳をとればできるようになる」
とかおっしゃっていて・・
未熟な自分に足りない「根気強さ」を
突きつけられました。
次に「忘れる」ということですが
これはクライアントの重い話を抱え込みすぎて
自分が辛くならないように
「忘れてしまえる」能力が
大切だとおっしゃっていて、
これはカウンセリングをする人だけでなく
すべての人にとって大切な能力ではないかと
思いました。
わたしは面倒なことに
恨みっぽい性格でもあって。笑
(やなやつ〜〜)
過去にあった嫌なことを
ふとしたきっかけで思い出して
悶々とすることがたまにあります。
(夫との喧嘩とかもね。。)
けれど過去の嫌なことを蒸し返して
自分になんの得になるのか。。と
当たり前のことながら冷静に考えさせられました。
(二度と同じ嫌なことが起こらないように
予防するために覚えておこう、という
防衛本能が働いているのかもしれないのですが)
忘れてしまえる能力って
どう鍛えれば良いのかもわかりませんが、
自分の気持ちを切り替えるために
「忘れる」ことは必要だし、
「寝たら忘れる!」とサラッと言える人になりたいし、
まずは「忘れよう!」と口に出したりして
忘れる練習(?)をしてみようかなと思いました。
(本書に忘れるコツが書かれていればよかったなぁ)
そしてタイトルにもあるように、
人生には「物語」が必要で、
わたしたちは自然に自分の「物語」をつくりながら
なんとか日々を乗り越えてやってきているんだなと
しみじみ考えさせられました。
出産を機に人生の第二章がはじまった・・
とか、
試練を乗り越え続けるのが俺の人生!
というように
みんな誰しも自分の人生を「物語」のようにとらえ、
自分の価値観で過去と未来を
意味づけしながら生きていくことで、
やりたくないことをやり抜いたり、
より幸福感に浸ったり、
今のありがたみを噛み締めたりしている
のではないかと思います。
だから、物語を「作れない」と
まるで自分がからっぽのように思えてしまったり
親など誰か影響力のある人が作った物語を
生きてしまうのかもしれません。
そう思えば、
自分だけの物語をつくれるようにするために
小さい頃から絵本や歌で
「物語」に親しませようとして
いるのかもしれないなと
子育てのなかに「物語」が
たくさんあることについて
考えさせられました。
本書は子育てについての本ではないのに
読んでいくとなぜか育児書のように
読んでしまった不思議な一冊でした。
文章量はそんなに多くないけれど
母親として大切な心構えが
たくさん書かれていた深い一冊でした。
先回りしない、忘れることの他にも
「自分でどうにかできると思わない」
=「偶然に頼る」ことや
「強さを持つ」ことについても
しみじみ納得させられました。
自分でどうにかできると思わない
謙虚さと偶然に頼る楽観性を持ちつつ、
その土台には重い話をちゃんと抱え込める
強さ、たくましさがある人間に
少しずつ成長していきたいと心から思いました。
まずは
待つ、忘れることを上手に使いこなして
うまくいかないことをさらりと流して前を向く
そんな人間に、母になれるようにしたいです。
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