「一万円選書」でおなじみ
いわた書店店主の岩田さんが
特におすすめしているこの作品。
やっと読みました!
物語の舞台は閉校寸前の女子大学。
理事長の計らいでなんとしても
在校生全員を卒業させるため、
4月時点でさまざまな理由で卒業できなかった
「問題児」たちが学校に集められ、
住み込みで半年間の特別補講が行われる・・
というあらすじです。
「問題児」たちは学校に隣接した
学生寮で二人一組の部屋をあてがわれ、
共同生活をはじめるのですが
もちろんいきなりうまくいくはずもなく・・
この物語では彼女たちが抱える
それぞれの「問題」に向き合い
理事長たちのサポートを受けながら
最後の学生生活を送ろうとする
群像劇が繰り広げられます。
「問題児」たちの「問題」は、
どうしても朝起きられない子や
すぐ眠ってしまう子、
食べられない子、食べすぎてしまう子、
エナジードリンクがやめられない子や
無口すぎる子、
一見問題なさそうだけれど事情を抱えている子、
「この世から消えたい」と思う子など
ほんとうにさまざま。
はじめは自分たちの問題に直視できず
クラス全体によどんだ空気が漂っていたのですが
理事長や同室のルームメイトと
距離が縮まっていくにつれ
閉ざしていた心が少しずつ開かれ、
前を向きはじめるのです。
学生たちの視点というより
学生たちの親目線で
「この子たちはどうなっていくんだろう・・」
とハラハラしながら読み進めた物語でした。
理事長の手腕にひたすら驚かされ、
これほどの包容力と頭のキレが
ある人なら閉校にならなかったのでは・・
と思ってしまうほど立派な人物でした。
登場人物たちの個性のバランスや
物語展開など、ところどころで
「うまくできすぎている」感を抱きましたが
(すみません。正直レビュー。笑)
子どもたちの問題はひょっとしたら
身近にいるかもしれないと
思わされるものでしたし、
親として重要なことが描かれていると
強く感じた物語でした。
親として子どもの将来ほど
気にかかるものはありません。
将来、子どもが少しでも生きやすいように。
この先、子どもは健やかに生きていけるだろうか。
そういう希望と不安のために
熱心に勉強させたり部活をさせたり
厳しく接したり、いろんな行動に
口を出したりする親目線が
いまではすごくわかります。
わたし自身子どもが生まれる前までは
「子が元気でいてくれたらそれでいい」
と思っていましたが
すくすく元気に
1年8ヵ月育っている姿を見て、
「英語が話せると将来の選択肢が広がるかな・・」
とか
「ピアノを習ったらリズム感がつくよなぁ」
「運動系もいいよなぁ」
などと子への期待がどんどん膨らんでいて。笑
まったく勝手だなぁと
自分のことながら呆れています。笑
ですが親のその思いが
プレッシャーとなって徐々に追い詰められ、
反抗する間もなく押し潰されてしまう子が
いるのだということは
親として胸に深く突き刺さりました・・。
彼女たちの問題は
彼女たちだけの問題ではなく、
家族、特に親の問題でもあります。
彼女たちは生まれながらにして
「問題児」だったわけではなく、
親だって「問題児」に育てる気など
さらさらなかったはずなのに。
なぜ双方の思いが噛み合わずに
子どもが押し潰される結果になって
しまったのか。
この物語では学生たちに
「家族は時に、ウィルスや悪性腫瘍と同じく、人を蝕み、病ませてしまう」(314ページ)
ということを教訓として語る場面がありますが
親目線で何がいけなかったのか
と考えたときに、
親自身が自分自身のことを
「ありのまま受け入れられない」
からなのではないかと思いました。
「ありのままの自分を受け入れる」というのは、
何か目標に向けて頑張っている自分はもちろん、
頑張りきれなかったときや
怠けてしまったとき、
失敗してしまったときなど
かっこ悪い姿のときの自分も
受け入れるということです。
それができていないと
子どもの弱さやかっこ悪いところも
許せなくなってしまうのではないか。
この「許せない!」という気持ちが
子どもの心の奥底に深く
刺さりすぎてしまうのではないか。
そう考えさせられました。
努力してる自分が好き!
という方は多いと思うのですが
かっこ悪い自分を受け入れたり
うまくできないことを「まぁいっか」と
思ったりするのって
意外と難しいと思いませんか?
わたし自身すごく苦手で
苦手なことでも「とりあえず頑張る」
と言っちゃったり
克服しようとしてみたりするタイプなので
「課題をこなしてない」ときの自分が
ダメ人間に感じてしまって・・
でも、根っこには
ダラダラしたい自分がいるので
努力しようとして
疲れちゃうこともしばしばで・・
そういう「うまくいかない」ことを
いかに自分の中で許せるかが
これからの人生、家族と過ごす人生に
必要になってくると思うんです。
自分の理想を追い求めて
努力していくことは
素晴らしいことだけれど、
それが過度なプレッシャーにならないように
「できないことを許す」
「うまくいかない日々を楽しむ」
そういう心構えが子どもと暮らす日々には
大切かもしれないなぁと
この物語を読んで改めて考えさせられました。
親目線で反面教師的に読んでしまった
物語でしたが、
子どもとの生活について考えを深める
良いきっかけになりました。
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