だいぶ前から積ん読になっていた

ブレイディみかこさんの

『他者の靴を履く』を読みました!



ブレイディみかこさんの本は

『ぼくイエ』からはじまり

最近は小説を読んだのですが

自分の知らない世界、視点が描かれていて

何度読んでもハッとさせられます。







今回読んだのは

エッセイでも小説でもない「評論」で、



『ぼくイエ』で話題になった

「エンパシー」について掘り下げ、

エンパシーの大切さと

著者なりのエンパシーの適切なあり方が

まとめられた一冊になっています。



「エンパシー」とは何かというと

「他者の靴を履く」という本書の

タイトルにあるように

他人の立場になって考えること」。



「共感(シンパシー)」という言葉のほうが

日本人としては馴染み深いのですが

「共感」と「他人の立場で考える」ことは

全く違うと著者は言います。



共感(シンパシー)は

その人の感情を

まるで自分のことのように感じ

共鳴するような感覚を言いますが



他人の立場で考える(エンパシー)ことは

その人の意見や感情を「理解する」だけで

自分ごとのように捉える必要はありません。



エンパシーは

意見や価値観の異なる人であっても

働かせる能力(想像力)であることが

シンパシーとの大きな違いなのです。



この、共感「ではない」

エンパシーがなぜ大切なのかというと



人が生きてきた環境は

人によって本当にさまざまで、

「他人の立場に立って考える」ことができないと

自分のものさしだけで物事を判断してしまい

ものさしからあぶれた人のことが

見えなくなってしまうからです。



エンパシーが欠けてしまった人の例が

「鉄の女」と呼ばれた

イギリスのサッチャー元首相。



サッチャーさんは

秘書など身近な人たちに優しく振る舞う

思いやりのある人物だったそうですが



サッチャーさんが進めた政策は

「自助」(自分の身は自分で守れ)

を国民に求めるもので

ついていけない人たちが続出し

失業率が大幅に悪化してしまいます。



それでも頑固に政策を貫いたことが

「鉄の女」と言われるゆえんですが



身内へ思いやりを持って接する

「シンパシー」はあっても

自分とは違う環境で生きる

国民の立場を想像する

「エンパシー」が欠けていると

いかに国民の分断を招くかが

よくわかる好例だと著者は言います。



人はひとりでは生きていけないので

誰かの思いに共感し、つながり合うことは

非常に大切ですが



シンパシーだけだと

「自分の価値観に合うものだけを受け入れ、

それ以外は排除する」

(意味わからん!理解できない!

と思うのも排除のひとつ)

という思考になってしまい、

対立や分断を余計に招いてしまう

危険性もあるのです。



そのため、

人同士の溝を作らない・深めないために

「エンパシー」を鍛える必要があると

著者は強調します。



本書を読んで

シンパシーとエンパシーの違いを

初めて知ったわたしは、

読書を通してさまざまな世界のぞき、

さまざまな人の気持ちに

触れてきたつもりではありますが



共感こそすれ、悪役や自分の価値観に

合わない登場人物を

「何やこいつ意味わからん」と

思考を止めてきたのではないか・・?

排除してきたのではないか・・?と

ヒヤリとしました。



エンパシーは

英語で「ability(技術)」という単語で

説明されており、

後天的に養うことのできる

能力だとされています。



エンパシーを鍛えるためには

自分とは違う環境・立場の人と

対話をしたり本を読んだりすることで

自分の見えない世界を知ることに加えて



「ブレない自分の軸」を持つことも

重要だと著者は言います。



ブレない自分の軸がないと、

「他者の意見」が自分の中に入り込み、

その意見が強ければ強いほど

自我が呑まれてしまう危険性があるからです。



イメージとしては

心酔している人の意見を聞いて、

自分でよく考えたわけでもないのに

それが自分の意見だ!と思ってしまう

というような感じ。



(これ、わたしはわりと身に覚えがあって・・

多様性が大事!視野を広げよう!と

思うあまりに違う視点を積極的に取り入れすぎて

自分の意見って何だっけ?となったり、

好きな作家さんが言っていることだったら

自分も同じ意見だ!とよく考えもせずに思う

ことがあって、かなりヒヤリとさせられました・・)



ブレない自分の軸があれば

強力な他者の思考や同調圧力に呑まれることなく

「こういう人がいるんだ、

こんな世界もあるんだ」という

エンパシーを最大限働かせることができ

視野を広げることができます。



著者はこうしたエンパシーの使い方を

アナーキック(誰にも支配されない)・エンパシー

と名づけ



人間は

アナーキック・エンパシーを養うことで

自分らしく生きながら

他者も生きやすい社会になるよう

努力・改善ができるのではないか?と

本書をまとめています。



本書はただ単に

「相手の気持ちを考える」

大切さを説くものではなく

ブレない自分軸を持ち

自分の知らない・見えない世界を想像する

思考力の大切さを説いた

非常に重みのある一冊だと感じました。



シンパシーの感性だけ持っていたり

ブレない自分軸を持たないでいると

「自分が良いと思うこと以外はありえない!」

という排除の思考になったり、

相手に共感しすぎて自分のことではないのに

痛みを抱えすぎたりして

「他者と共存して生きる」ことから

どんどん離れていってしまう

ということが本書でよくわかり、

シンパシーの感性が強いと自覚している

わたし自身、気をつけなければと思いました・・。



アナーキック・エンパシーを鍛えることは

他者との対立や

悪意なき排除・差別を事前に防ぐ

努力をしていることと同じです。



誰かを排除するような人に、親に

ならないように

アナーキック・エンパシーを

子どもと一緒に鍛えていきたいと

強く思いました。



本書には

アナーキック・エンパシーの

大切さは書かれていたものの

「鍛え方」については

あまり触れられていなかったのが

少し残念なところでしたが・・

(エンパシーの授業などは紹介されていました)



アナーキック・エンパシーの

鍵となるのが

「自分を知る・自分を大事にする」

ことだと本書を読んで感じているので、



まずは

・自分の感情や思考を

できるだけ言語化すること

・そして誰かと対話をすること

を繰り返していきたいと思いました。



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