こんばんは〜!
今日は妊娠中から読み進めていた話題作をやっと読み終えました!
出産で入院したときも持っていきました。
痛みでぜんぜん読めませんでしたけど!!笑
この物語の主人公は、人工知能が搭載されたAIロボットのクララ。
クララは少女の姿をしており、人間の子どもたちの「人工親友(通称AF)」として作られたロボットでした。
物語はクララが販売されているお店からはじまります。
クララは持ち前のすぐれた観察力でショーウインドウ越しに見える外の世界を見ながら出られる日を心待ちにしていました。
やがてクララはある少女に気に入られ、外の世界へと出ることになります。
少女はジョジーという名で、病弱だけれど勝気な性格の可愛らしい子どもでした。
ジョジーが寝込むたびに胸が痛むクララは、ジョジーの身体を健康にするために自分のエネルギー源である「お日さまの力」をどうにか借りられないだろうかと思うようになり、ひそかに実行しようとします。
ジョジーの幼なじみのリックやジョジーの父親の助けを借りてクララはその計画を少しずつ進めますが、やがてジョジーの母親からクララがこの家にやってきた「本当の理由」を知らされることになるのです・・。
物語中盤、クララがやってきた理由を知らされたところからこの物語の世界観がようやく見えてきて、後半からはのめり込むように読みました。
ジョジーを助けたい!と思うクララの純真さが胸を打つ名作でしたが、同時に人間の複雑さや身勝手さもあぶり出されていてすごく切ない気持ちになりました。
本作はクララがAFとしてのつとめを全うする物語が大筋としてありながら、他に二つの物語が描かれていると感じました。
二つ目は子どもの幸せを望む母親の物語。
三つ目は格差に振り回される子どもたちの物語です。
二つ目の物語はクララがやってきた「本当の理由」につながりますが、ジョジーの病状を心配するあまりに歪んだ方向へクララを利用しようとするジョジーの母親の「執念」とも言うべき子どもへの思いの強さが印象に残りました。
ジョジーが回復しなかったら・・と思い詰めてしまう母親の気持ちが痛いほどわかります。
ジョジーの母親に加えて、リックの将来を案じあれこれと画策するリックの母親の姿も印象的でした。
子どもには健康でいてほしいし、幸多い人生を歩んでほしい。
そのためには手段を問わない。
ジョジーの母親とリックの母親に共通するのは「子どもの幸せのためには手段を問わない」と思う気持ちです。
親であればだれもがそう思うのではないか・・と深く共感しながら読みましたが、なぜ「母親」だったのか?「父親」や「両親」ではだめだったのか?というところが疑問に残りました。
(作中には父親も登場しますが、子どもと同居しておらず存在感が薄めなのです)
そして、三つ目の物語は舞台設定として格差社会がはっきり描かれていること、そして子どもたちが格差に振り回されている姿が描かれていることにショックを受けました。
作中の世界ではAFとの共生や「向上処置」と呼ばれる遺伝子操作を子どもに受けさせることが当たり前とされるのですが、みんながみんなそうではありません。
ジョジーはクララをAFにむかえ、向上処置も受けていますが、リックは「未処置」でAFもいません。
リックは未処置であることから同級生にからかわれたり大学進学のチャンスがなかったりと差別される様子が描かれているのです。
この「格差」の物語は、現代社会を皮肉に描いていると感じました。
リックは未処置であっても自分の興味あることに没頭し、研究を怠らない賢い子どもなのですが、格差の壁にぶつかってふて腐れてしまいます。
幼なじみであり将来を約束し合ったジョジーはリックを励ましますが、物語が進むうちにふたりの関係性は変わっていってしまうのです。
ふたりの関係を変わったきっかけも格差の壁によるもので、いくらお互いの気持ちが強くても、周りの環境に大きく影響され、振り回されざるを得ない・・という現実をこの物語は突きつけてくるのです。
SF小説でありながら非常に現実的な物語で、切ないラストに胸が締め付けられました。
この物語で唯一ブレずにピュアな心を持ち続けているのはクララだけです。
人間は時が経てば考えや価値観が変わっていくものですが、クララはいつまでも自分の使命を全うすることに全力を注ぎます。
わたしは時とともに考え方や価値観が変わっていくことは悪いことだと思いません。
けれどクララの一途な気持ちに胸を打たれたのも確かで、わたし自身この純真さを忘れたくないし、我が子もクララのようにずっとピュアでいてほしい・・と思わせられたのでした。
一筋縄ではいかない複雑な物語で、とても読み応えのある作品でした!
週末に本作の読書会をひらくので、語り合うのが楽しみです^ ^
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