こんばんは〜^^
今日はめずらしいエッセイを手に取りました!
編集者・作家の松久淳さんの『男の出産』(新潮文庫)。
いしいしんじ『ある一日』の読書感想文ブログでも書きましたが、男性目線で妊娠生活を描いたものが本当に少なくて!
いしいしんじさんの本は小説ですが、『男の出産』はエッセイで男性の本音も素直に語られていておもしろく読みました〜。
本書を読んでまず思ったのが、「松久さん、めっちゃマメで細かい方だ!!」ということ。
どのくらいマメで細かいかというと、エッセイが妊娠0週目からはじまったり出産予定日からさかのぼって「いつが「当たり」の日か」を計算したりするぐらい。笑
本書は0週から40週にかけて妻の妊娠経過と自分が感じたことなどが綴られているのですが、編集者という職業柄か松久さんの性格なのか(後者によるところが大きいかも)、妊娠・出産でいくらお金がかかるのかや妻の体重・スリーサイズの変化、感染症にかかる確率などの数字がこまかく書かれていて、妊婦のわたしですらここまで計算してないのにすごい・・!!と感心させられましたし他人の妊娠経過の数字を見るっておもしろいなぁと改めて思いました。笑
そして本書全体を通して妻をすごく大切にしている松久さんの思いが伝わってきて、とても温かい気持ちになりました。
「もし、妻が流産したらどうしよう。(中略)
そうなったときの妻のショックや落ち込みは想像するとこちらまで落ち込んでしまう。そもそも、不幸を先取りして考えるのもよくない。でも、もし流産となってしまったら、すでに妊娠を伝えてしまった人たちにその事実を伝えなくてはならない心労くらいは、あらかじめ取り除いてあげたい、と思う。」
(24頁 2週目)
「4月1日のエイプリルフールに結婚記念日を迎えたので、その週の土日で、妻と1泊2日の旅行に行ってきた。
正直、オレはこの旅行に反対だった。いくらつわりもなく、生活がふだんと変わらないとはいえ、仮にも妊婦、家を離れて泊まりがけでどこかへ行くなんざ、心配で心配でしょうがないではないか。」
(110頁 21週目)
「タオルでくるまれた生まれたての赤ん坊を抱いているオレ。
オレは父親になったのか?この子は確かにオレの子なんだろう。そしてオレは父親になった。しかし、どうにもその事実がうまく実感できない。
さらに長い長い時間が過ぎて、ようやく先生が外に出てきた。オレはすかさず聞いた。
「妻は元気ですか?」
(中略)
そしてまたまた長い長い時間が過ぎ(たぶん本当は10分くらいだったと思う)、助産婦さんに押された車イスに乗った妻が姿を現した。このときになって初めてオレはちゃんと笑ったと思う。」
(214頁 40週2日目(その2))
妻の妊娠をネタに執筆しているというスタンスで、基本はおちゃらけた様子で妊娠経過が綴られているのですが、上記の引用をみればわかるように妊娠初期から出産直後まで一貫して妻の安否を心配する松久さんの姿は「愛」でしかなく、「なんて素敵なパートナーなんだろう・・」としみじみ思わされ、他人ののろけ日記をのぞいたような、とても微笑ましい気持ちにさせられました。☺️
こんな風に愛情を素直に表現できる男性ってすごく素敵だなと思います。
男性は「男らしさの呪い」のために(詳しくは『これからの男の子たちへ』のブログへ)弱さ(&感情)を見せないクールなイメージを出しがちな人が多いように感じるのですが、そんなタイプの人ばかりではなく愛情あふれる男性もいるのだよなぁと改めて思いましたし、もっとこっち側(愛情あふれる系)のパートナーが増えたら離婚率が減ったり出生率が増えたりするんじゃないか・・!?と割とまじめに思ったりしたのでした。
離婚率・出生率はさまざまな問題があって一概に言えるものではありませんが、夫婦関係はめちゃくちゃ大切な要因だと思っていて。
そして夫婦関係を円満に保つにはやっぱりどれだけコミュニケーションがとれているか・気持ちを伝え合っているかがキモになるのでは、と強く思うのです。
松久さんは心配だけでなく「検診に行きたくない」とか「自分が子どもを産むとか想像するだけで無理」とかいった率直な本音も綴っているのですが、こういう本音をお互い素直にあらわすことが夫婦間ではとても大切なのではないかと思いました。
本書は1999年に刊行されたものなのですが、「助産婦」という言葉に時代を感じつつもそれ以外はほんとうに今読んでも違和感がなくて(松久さんの働き方がフリーランスだからかもしれません)、20年の時の差をほとんど感じずにおもしろく読み終えることができました。
妊娠・出産はどんな時代であろうと尊いものであるということですよね。
産休でただでさえゆる〜く暮らしているというのにさらに和やかな気持ちになって「こんなゆるゆるになっちゃっていいのかしら」と思うくらいにゆるゆるになりました。笑
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