こんばんは!
前回のブログでは「教育」と「自由」について書きましたが、今回は自由を勝ち取らなければいけなかった不遇な少女の半生が綴られた一冊を手に取りました。





ハリエット・アン・ジェイコブズ『ある奴隷少女に起こった出来事』(新潮文庫)


舞台は1820年代のアメリカ南部。
主人公・リンダ(著者の仮名)の家族は全員が奴隷でしたが、愛情深い両親と我慢強い祖母に育てられ、いつか自由になることを目標に彼らはつつましく暮らしていました。  


しかしリンダの両親は若くして亡くなり、リンダは白人医師一家の奴隷として売られ、奴隷としての過酷な日々を強いられます。


リンダは美人な働きものだったため主人たちから重宝がられる存在になりますが、美人なために主人から性的ないやがらせを受けるようになります。


祖母から清らかに生きるよう教えられて育ったリンダは主人を心から嫌悪し避けようとしますが、奴隷という身分がそうさせず、苦痛の日々を過ごすことになるのです……。


苦痛の日々に耐えながらもリンダは諦めずに自由になる方法を模索します。
ですが主人はリンダに執着し、リンダに買い手が現れても頑なに売ろうとしません。


奴隷は人間ではなく買い手の「所有物」とみなされ、どんな権利も持ちえない。
そのことをリンダは痛感し絶望しますが、それでもリンダは自由を求めて頭を働かせるのです。


やがて思いついたのは、他の白人紳士との子どもを身ごもることでした。
リンダの境遇に同情する紳士との子どもを身ごもったことで主人は激昂し、リンダにさらに執着するようになります。


リンダの企みは上手くいきませんでしたが、子どもをもうけたことでさらに「自由になりたい」「家族を自由にしたい」「家族みんなで安らかに暮らしたい」という思いが強くなります。


さまざまな方法を検討した結果、リンダは逃亡を決意します。
多くの陰の協力者のもとにリンダは家を抜け出し、長い長い逃亡生活、自由への戦いをはじめるのです……。


本書はアメリカの奴隷制という愚劣な制度の内実をまざまざと描いたノンフィクションですが、出版された当初はショッキングすぎる内容と、学校へ行くことのできなかった奴隷少女の筆致が非常に知的で「読ませる」ものだったことから「小説ではないか」とされ、忘れ去られてしまった(!)というさらに悲しい歴史があります。


出版から120年あまり経ってから黒人奴隷史の研究者により本書が実話であることが証明され、瞬く間にベストセラーとなったのです……。


日本では2013年に翻訳され、近年ではコミック版も刊行されています。
昨年5月には「BLM(Black Lives Matter)運動」が盛んになったこともあり、近年さらに注目を浴びている一冊でもあるのです。


平和な日本に生まれ育ち、「奴隷」という言葉をゲームやおとぎ話のなかでしか聞いたことのないわたしにとって、本書の内容が実話であることにただただ胸が痛みましたが、同時に奴隷という絶望的な環境のなかで耐え抜き、「自由」を勝ち取ったリンダとその家族たちの心の強さに胸を打たれました。


そして本書を読んで「自由」とは「自分を所有すること」なのだということを改めて強く感じました。


自分を所有することとは、自分の人生を自分の意志で決めることであり、自分の意志を貫くことを誰にも邪魔されない環境にあることです。


奴隷制は過去の話ですが、現代社会において“完全に”自分の意志で自分の人生を決め、実際に行動に移せる「自由」な人がどれだけいるのだろう?と考えさせられます。


基本的人権が守られているとはいえ、経済的な事情や数々の事情によってなかなか自分の意志を貫けない状況にいる人はとても多いでしょう。


そんな状況でも、いかに心折れずに自分の意志を強く持ち続けられるか?
リスクを承知でどれだけの勇気が出せるか?
自分の意志を貫くために、どれだけ人に頼れるか?
そもそも、それほどの強い意志を自分は持てているか?


本書を読みながらこれらのことを考えさせられましたし、自分が試されているような気にもなりました。


自由を勝ち取るということ。
そもそも自分にとっての自由はなにか?


平和だけれど忙しい現代社会にいると、つい流されるままに日々を過ごしてしまいがちですが、いつのまにか「見えない何か」に自分を所有されないように、上の問いを忘れないでいたいと改めて強く思いました。


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