マーク・トゥエイン『人間とは何か』(岩波文庫)を読みました。
マーク・トゥエインはだれもが聞いたことのある作家さんでしょう。
それは『トム・ソーヤの冒険』が代表作というのもありますが、ディズニーランドに「マーク・トゥエイン号」という蒸気船のアトラクションがあるから・・!
なんでいきなりマーク・トゥエインを手に取ったかというと、こないだディズニーランドに行ったからです。笑
そして「マーク・トゥエイン号」に乗って「あ、そういえばマーク・トゥエインの作品って読んだことないな・・」と思いまして。
『トム・ソーヤの冒険』じゃ子ども向けすぎるかな?とも思い、『人間とは何か』という、いかにも賢そうで大人向けな(笑)一冊を手に取ることにしたのです。
わたしの予想通り、本書は人間の心について論じられたもので、なかなか哲学的で考えさせられるところの多い一冊でした。
ブログタイトルからもうネタバレしちゃっていますが笑、本書では『人間とは何か?』という問いに対して「環境に左右される機械だ!」と結論付けています。
物知りな老人と青年との対話という形式で、「人間が環境に左右される機械」だということについての解説が進んでいきます。
まず老人は人間の心は自動的にはたらく機械のようなもので、自分の意思でどうにかなるものではないと結論付けます。
それは善悪どの場合でもそうで、心が自動的にはたらくための原動力となるのが「自己の精神的な満足」だと言います。
つまり、誰かが知らない相手に善行を尽くしたとして、一見すると「相手のためにやった行い」に見えるのですが、根をたどれば「だれかに善行をすることで自分の気持ちを満足させたい」という心のはたらきがあってこそ、こうした善行は行われるのだというのです。
ですがもちろん、誰しもが「だれかに善行をすることで自分の気持ちが満足する」わけではありません。
人はそれぞれに「気質」「性格」があるからです。
で、その「気質」というのは生まれ持ったもの・・ではなくて、すべて「外からの影響」により形成されており、家庭環境やその後の人間関係によって築き上げられていくのです。
つまり、わたしたちは自分の心を持っていますが、その心を自分の力でコントロールすることはできない。
すべての心のはたらきは外的要因・環境に左右され、自動的に動いてしまうのです。
青年は老人の結論に対してさまざまな反論を仕掛けます。
けれどどの反論も老人は軽くねじ込め、青年はうなずかざるを得ないのです。
「人間は機械だ!」という結論は無機質なものに感じられ、拒絶したくなる青年の気持ちがわかります。
その一方で「言われてみればそうだなぁ」と老人の考えに素直に頷きながら、納得して読み進めることができました。
今から寝るのが正解だ!とわかってるのについYouTubeを見ちゃう・・というのは「動画を見て楽しみたい」という心のはたらきに自動的に従っているということですもんね。
大学受験期、勉強に集中するのが正しい!ってわかってるのに何度携帯をいじったことか。
心は自分の意思でコントロール不可、というのは自分の体験からしても骨身に沁みているのです。
(アンガーマネジメントなど、心の発散方法についてある程度の矯正はできるかもしれませんが、そもそもまったく怒らない、ということはどうしたってできないでしょう)
人間の性格や気質が環境に左右されるということも大いに頷けます。
ここ最近、母親と性格が似てきた・・とひしひし感じるからです。笑
これぞ環境のたまものでしょう。
また、老人はすべての行いに「自発的」というものはなく、すべて外的要因がかかった結果なのだとも言っています。
これは「ディズニーランドに行き」「マーク・トゥエイン号に乗った」というきっかけがなければマーク・トゥエインを読もうなんて思いもしなかったことを思い出し、ほんとだ・・と驚きました。
そしてたとえどれだけ自己犠牲的な行いであったとしても、その行動の原動力は「自己満足」にあるということも頷けました。
そもそもわたし自身が自己犠牲的な行いをあまりしないんですが・・汗
でも誰かに親身になることは「相手を助けることで自分が満足したい/相手を助けなかったことで自分が後悔したくない」というふたつの気持ちがあることは否定できません。
こんな感じで、本書では人間は「自己満足的」で心のコントロールができない未完全な生き物であることが老人からえんえんと語られるのですが、だからこそ人間はひとりで生きれず、「自己満足」のために他者と共生しているんだろうな・・と改めて納得しました。
本書のあとがきによると『人間とは何か』とリンクするマーク・トゥエインの小説があるようなので、今度はその本を手にとってみようと思います。
(これも外的要因ですね!!)
ひさびさに人間の心のはたらきについて触れて、たくさんの学びを得られた一冊でした。
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