深沢潮『縁を結うひと』(新潮文庫)を読みました。


『縁を結うひと』は、在日コリアンの縁談をまとめる「お見合いおばさん」金江福と、福によってつながれた人たちの暮らしが描かれた連作短編集。


福は日本一の「お見合いおばさん」として有名で、 福は縁談をまとめることで、紹介料と結婚式場からのマージンをもらって生計を立てていました。


在日コリアンは暗い歴史があるために、「同じ痛みを抱える」在日同士で結婚することが最良だとされており、依頼はひっきりなしにやってきます。


福は依頼者たちを子や孫のように思いながら、70代を超えても現役で在日の「同胞」たちの縁談を取りまとめるのでした。


この物語では、福のお見合いによりつながった人たちや、つながれた人たちの家族の暮らしにフォーカスし、在日コリアンが抱える「影」のようなものをあぶり出していきます。


在日コリアンの家庭は、在日であるからこそ韓国のしきたりを重んじるところがあり、また男尊女卑の空気が色濃く残り、それらに振り回される子ども世代の人たちの姿が強く印象に残りました。


彼らは日本で生まれ育ち、ふだんの生活では自分のルーツを意識しないものの、結婚・出産などの大きなライフステージの変化とともに、急激に自分のルーツを突き付けられ、戸惑います。


日本人との結婚が許されなかったり、法事や子どもの行事に心血を注いだりする親世代に対し、子どもたちは息苦しさを感じるのですが、それを簡単に口にすることができず、煩悶する姿が描かれているのです。


ですが、彼らが家族のつながりや自分のルーツに息苦しさを抱えながらも、家族のつながりに心温まる場面も描かれていて、家族というつながりの深さが胸に染み入りました…。


そしてわたしは、この物語を読むまで在日コリアンについて知らなかったことが多かったと改めて思わされ、彼らが抱えるものの重みに言葉が出てきませんでした。


「知らない」ということがどれだけ平和で、恵まれたことであるのかを痛感し、彼らの重みが少しでも軽くなるように祈るように読み終えました。


「知る」ことというのは、決して楽しいことばかりではありません。
不都合なことや自分の弱さに目を向けなければならず、ときには心が沈んでしまうこともあります。


けれど、わたしはできるかぎり知って学んでいきたいと思っています。
たとえ頭でっかちであっても、知ったことをこの先の人生に良い方向に活かせることがきっとある、と信じているからです。


そんなことを思いながら、重たいけれども心温まる読後感に包まれながらこの本を閉じました。


9月最後まで充実した読書ができて幸せでした!
10月もたくさんの名作に出会えますように!


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