こんにちは!
今日はとても素敵な一冊を読みました。
 
 
 
 
天童荒太『包帯クラブ』(ちくま文庫)
 

 

「名前がつけられたんだよ、シオ。気持ちが沈むようなこと、納得いかないこと、やりきれないなぁって、もやもやしたこと。その気持ちに、包帯を巻くことで、名前がつけられたんだよ、〈傷〉だって。傷を受けたら、痛いしさ、だれでもへこむの、当たり前だよ。でも、傷だからさ、手当てをしたら、少しずつ痛みもおさまって、いつかは治っていくんじゃない」(73頁)
 
 
『包帯クラブ』は、4人の高校生が「戦わないかたちで、自分たちの大切なものを守る」ために奮闘した日々がまとめられた“活動報告書”です。
 
 
発足メンバーの名前は、ワラ、タンシオ、ギモ、ディノ。


親の離婚、失恋、セクハラ・・それぞれの「傷」を受けた場所に行き、包帯を巻くと、すっと心が軽くなったことから「包帯クラブ」は発足しました。
 
 
どうして包帯を巻いただけで自分の「傷」が癒えたのか?
それは冒頭の引用の通り、自分が受けたことを「傷」と名づけることができて、その傷に寄り添い、手当てをしてあげたから。


そもそもどうして包帯を巻くことになったのか?
それはワラとディノが初めて会った病院で、ワラが怪我した手に包帯を巻いていて、それをディノがからかったことがきっかけでした。


彼らは高校生活のかたわら「包帯クラブ」の活動をはじめます。
活動内容は、相談者が「傷」を受けた場所に行って包帯を巻き、写真を撮って、傷ついた人に送ってあげるというもの。


はじめは彼らの知り合いだったのが、評判が広まりいろんな人から依頼されるようになります。
パワハラで職場に行けなくなった人、神社でいたずらをされて家に引きこもるようになった人、「そんなことで」と思うようなささいなことで傷ついている人など、いろんな人の傷に彼らは寄り添い、包帯を巻き続けるのでした。


彼らは包帯を巻きながらも、わたしたちが寄り添える「傷」には限界があるということを痛感します。


「傷」の種類には、どれだけ親しい間柄であっても言えないものや、自分で抱えていかなくてはいけないものがあり、それは誰かがどうこうできるものではありません。


すでに自分で抱えている「傷」があるのだから、彼らはそうでない種類の「傷」は誰かに癒してもらっても良いのではないかと考え、自分たちが寄り添える「傷」はどんどん包帯を巻いていこう!と決意し、「巻けます。効きます。人によります。」というキャッチコピーをつけて「包帯クラブ」の活動を進めるのです。


そうして「包帯クラブ」は徐々に活動を広げてゆくのですが、ある日「公共の場に包帯が巻かれるのは迷惑だ」という声が寄せられ、クラブ活動は窮地に追い込まれてしまいます・・・。


もう、のめり込んで一気に読みました。


クラブはどうなってしまうのか!?とソワソワさせる展開もさることながら、「包帯クラブ」を高校生の思いつきの遊びにとどまらせず、進路に悩む高校生の心情と容赦ない現実とをきちんと描き、彼らが悩み抜いた末に行動していく様を描いた“地に足のついた活動報告書”を作り上げているところにとても魅力を感じました。


「包帯クラブ」は名前こそ遊びっぽいものの、彼らの思いは真剣です。
どんな「傷」にも優劣をつけず、きちんと包帯を巻き、相談者の思いに寄り添おうとするのです。


そして彼らは包帯を巻きながら、みんなそれぞれの事情があり、たくさん「傷」を抱えて生きていることを痛感し、そして自分はだれかに「傷」を与えてしまってはいないだろうか・・と顧みるのです。


なんて優しい世界だろう、と思いました。
なんて素敵なクラブだろう、と強く思いました。


そしてわたしも彼らのように、真剣に自分と向き合い、そして他人の傷に寄り添い癒す存在でありたいと心から思いました。


各キャラクターも生き生きとしていて、高校生の勢いのある若い感じと悩ましい様子がとても懐かしく感じました。
彼らのその後がちらっと書かれるのも魅力のひとつでした・・・!

 
ふりかえれば、わたしがブログをはじめたのも、ライティングゼミに通い始めたのも、コーチングを学び始めたのも、すべては「人生の傷」を癒したかったからだったんじゃないかと、この物語を読んで思いました。
  

 

このブログを始めたのは社会人になってしばらくしてからです。
理想と現実のギャップがものすごくて、苦しくて、だから逃げるように読書にのめり込んでいて、それを忘れないために記録しておこうと思いブログをはじめました。
 
 
ライティングゼミに通い始めたのはもっと多くの人にブログを読んでもらえるようにという理由でしたが、そのときに書いた文章のテーマのほとんどが「わたしの人生の傷」でした。
 
 
そしてコーチングを学び始めたのは、「人生の傷」がだいぶ癒えてきて、過去の自分と同じように苦しんでいる人に寄り添いたいという思いからでした。


きっと、生きていればどうしたってなんらかの「傷」を抱えなければならないのです。
そうであれば、その「傷」にどう向き合うかを自分のなかで決めておくのがとても大切なんじゃないだろうかと感じました。


わたしは社会人になるまで「傷」を見てみぬふりしていたので、もっと早く出会いたかった作品だったなぁ、と思いました。。


最後に、この物語を読んで「ひとり包帯クラブ」を作ろう、とひそかに思いました。


コーチングサービスが「ひとり包帯クラブ」のメインになりそうですが、ブログも、日々接する人との関係も「包帯クラブ」のような優しい世界を作れるように意識していきたいと思いました。


これからは「ひとり包帯クラブ」の一員として、自分自身に、誰かの気持ちに真剣に寄り添っていきたいです。


『包帯クラブ』、学生さんにも社会人にもおすすめの一冊です。
自分に向き合うきっかけと大きな刺激をくれた名作でした。
 
 
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