こんばんは!夜遅くにすみません💦
ゴールデンウイークも後半ですね!
おこもりはまだまだ続きますが…
ささかわはゴールデンウイークのほとんどをこの作品に捧げました。
ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー(上)(下)』(新潮文庫)!
上巻を読むのに3日、
下巻を読むのに1日かかりました。
めっちゃ正直な感想を言うと、
下巻の後半まで、読むのがつらくて心が折れそうでした・・
上巻を読み終えて、このまま読むのをやめてしまおうかと悩むくらい。
なので、読むときのコンディションは選ぶ作品かもしれないです。
元気でないときに読むとけっこうしんどいです。
ジョン・アーヴィング『ホテル・ニューハンプシャー』は
リゾートホテルでのアルバイトがきっかけで結ばれた夫婦とその子どもたちの物語です。
夫婦はもともと知り合いだったのですが
バイト先のリゾートホテル「アーバスノット・バイ・ザ・シー」で出会った熊(!)のおかげで夫婦になります。
そして夫婦は5人の子どもを身ごもり、それぞれ
長男・フランク
長女・フラニー
次男・ジョン(この物語の語り手)
次女・リリー
三男・エッグ
と名付けます。
この大家族は仲良く平和に暮らしていましたが、
あるとき、父は自分の夢を叶えたいと言い出し「ホテル・ニューハンプシャー」を開業します。
「ホテル・ニューハンプシャー」は時を経て場所を変え、結果として第三形態(!)まで変化するのですが、
この物語では「ホテル・ニューハンプシャー」の変化とともに家族それぞれの悲しみと幸せが描かれるのです。
この物語はけっこうしんどい物語です。
どう「しんどい」かというと、この家族に辛いことが立て続けにおとずれるからです。
長男・フランクは同級生からひどいいじめを受け、
長女・フラニーは勝気な美少女であったがゆえに複数人の男たちに「袋叩き」にされ、
次女・リリーは成長が止まり、子どもの体型のまま年を重ね、
三男・エッグは難聴でいたずらっ子のためにさらなる不運を引き寄せます。
次男・ジョンは彼らの悲劇を傍観することしかできない情けない「語り手」として悔しさや苦悩をあらわしますが、実はジョンは姉のフラニーにひそかな好意を抱いていて、語りの合間に姉への思いのうしろめたさが描かれます。
ジョンの思いを知ってか知らずか、フラニーはませたお姉さんとしてジョンにちょっかいをかけるのですが・・
フラニーの「おませ」度がこれまた過剰で、かなりややこしいのです。
この物語は物言いがやたらと過激&お下品なので、いろんな意味で要注意かもしれません^^;
彼らそれぞれの不幸に加えて「ホテル・ニューハンプシャー」のなかでもいろんな事件が起こります。
ちょっとしたいたずらで登場人物のうち2人がショック死してしまったり(!)、
「ホテル・ニューハンプシャー」が第一形態から第二形態に移るにあたり、事故で母親とエッグがこの世を去ってしまったり、
「不幸」「不運」というひとことでは到底抱えきれないほどの悲しみを、生き残った家族は抱えて過ごすのです。
下巻では第二形態の「ホテル・ニューハンプシャー」の物語が中心となって描かれます。
家族は悲しみや苦しみを克服できないまま、アメリカからウイーンに移住し、父と母の思い出の人・フロイトとともに「第二次ホテル・ニューハンプシャー」を開業します。
フロイトの呼びかけによって縁もゆかりもないウイーンに思い切って移住した大家族たちは、ここでも大事件に巻き込まれます・・。
下巻の中盤ごろから、物語の鬱々とした空気が少しずつ変わっていきます。
彼らは自分らの身に降りかかった不幸に対して「怒り」を思いっきりぶつけるのです。
ここまで読んだとき、わたしは「ここまで読んで良かった・・」と心から安堵しました。
物語には何かしらの「救い」が描かれているはずだ、と期待しながら読むのはとてもナンセンスなことではありますが、それでもこの物語のあまりの悲しみと苦しみに読み手のわたしが耐えきれず、どこかで救われてほしい!と願ってやまなかったからです。
このあたりから物語は少しずつ明るい方向へ舵を切ります。
もちろん、彼らの家族の悲しみや不幸はなかったことにできず、彼らはそれぞれの傷に苦しみます。
ですが、彼らはそれぞれの方法で自分自身の苦しみや傷と向き合い、克服しようとするのです。
この物語をすべて読み終えたとき、
この物語に頻出する「あらゆるものはおとぎ話である」という言葉の深さを噛み締めました。
「おとぎ話」をどういう意味で解釈したものかと悩みますが、わたしは「誰かに言えるぐらいまで軽く扱えるようになった話」と解釈しました。
どんなにひどい過去もいつかは「おとぎ話」として折り合いがつき
逆に、またとない幸せを手に入れた日々もいつかは「おとぎ話」になる。
だからどちらにも呑まれないこと、とらわれないでいることが大事なのだよ、と言っているように感じました。
そして、不幸にとらわれず、幸せに呑まれないようにするためには「よい熊」を持つのが良いといちばん最後に描かれます。
「よい熊」は「心のよりどころ」のようなものです。
父さんの野望や、フランクの人生哲学や、フラニーの高潔さなどです。
ちょっとネタバレすると、ジョンは最終的にとても「よい熊」に巡り会います・・。
自分にとっての「よい熊」を愛することの大切さが丁寧に描かれて物語は幕を閉じます。
わたしはこの物語を読んで、物語を完全に咀嚼するために時間を置いて読み返したいと思いました。
正直、まだちゃんと飲み込めていません。笑
わたし自身の「よい熊」を育てている最中だからかもしれません。
わたしたちは今よりもっと幸せになるために日々努めていますが、幸せを意識しすぎると、なにかちょっとうまくいかないことがあると反動でかなり落ち込んでしまうものです。
「ホテル・ニューハンプシャー」の家族たちのもとにはたくさんの不幸とまたとない幸運がおとずれます。
けれど、それらはすべて「おとぎ話」として、どこかの場面が誇張されることなく平等(?)に描かれてゆくのです。
そういう意味では「ホテル・ニューハンプシャー」はすごく現実的な、地に足のついた物語なのかもしれません。
ちなみに、この物語は直木賞作家の西加奈子さんが大好きな物語のひとつです。
直木賞受賞作の『サラバ!』に通ずるものを少しだけ感じました。
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