こんにちは~!
芥川賞・直木賞の興奮さめやらぬまま
週末を迎えました~。
仕事の繁忙期は越えましたが、読書の繁忙期(!?)だったので
今週も追い込まれて疲れました~。笑
ささかわの読書感想文'20@mrn123mrn
Twitterやってる作家さんが多くてにやにやしちゃう…☺️芥川賞・直木賞発表というお祭りに臨場感が加わった感じでたまらんです🏮
2020年01月16日 18:30
最近はTwitterやっている作家さんが多くて、
あの人やこの人の思いをリアルタイムで拝見することができて
とても楽しかったです。。
7月も楽しみです。
さて、そんなお祭りのあとの一冊は
定期的に読んでいたい大好きな作家さんの一冊です。
山田詠美さんの『学問』。
学生時代に一度読んだことがあったのですが
あらすじをほぼすっかり忘れていたので
新鮮な気持ちで再読できました。
(再読とは言わないかも笑)
この物語は
4人の男女の人生から垣間見える「性」のめざめと
感情の揺れ動きが描かれた物語です。
主な登場人物は以下の4人。
東京から物語の舞台である静岡県・美流間市(架空の都市)に引っ越してきた転校生の仁美(フトミ)。
地元っ子でクラスのリーダー・ガキ大将的な存在の心太(テンちゃん)。
仁美と同じ社宅に住む、眠るのが好きでちょっと癇癪持ちな千穂(チーホ)。
心太と千穂と常に行動を共にする、食べるのが大好きな無量(ムリョ)。
彼らは4人でひとつのグループをつくり、そのつながりは仁美が美流間に引っ越してきた小学校高学年から高校まで続きます。
彼らのつながりの強さはちょっと特殊で、他の誰も寄せ付けない、といった見えない壁を感じさせるものなのでした。
それゆえに彼らは4人だけの空間に浸り、特別な時間を共有している感覚を強く味わいながら過ごすのです。
この物語は仁美の視点で4人のつながりが描かれます。
なかでも仁美が強く意識してしまうのが、リーダー的存在の心太です。
心太は明るく素直な性格からか、いつの間にか周りに人が集まってくるような男の子でした。
仁美は心太に強く憧れ、グループに入ってからもその思いは増していきますが、やがて、仁美は心太へ少し違う思いを抱いていることを自覚するのです…。
それは、恋心、と思いますよね。
ですが、それとは少し違うのです。
わたしはこの物語を読みながらずっと疑問に思っていました。
なんでこの物語のタイトルが「学問」なのか?
なにを学んでいるのか?
うんうん唸りながら読んで、ひとつの結論を出しました。
彼らは生きることと、生きる上で避けて通れない「性」について学んでいるのだと。
この物語では彼らの成長の様子と
性のめざめについて丁寧に描かれてゆきます。
仁美が発見してしまった秘密の「儀式」や、
夜にこっそり見てしまった両親のあられもない姿、
千穂が借りてきた性教育のパンフレット、
そして、彼ら自身の初体験…
「性」のめざめは仁美に大きな驚きと発見をもたらします。
改めて心太への思いに触れるのですが、仁美は心太に対して恋心とも性欲ともつかない不思議な感情が湧きあがり、仁美は困惑してしまうのです。
この不思議な感情をあえて言い表すとしたら、
支配されているような感覚。
4人の空間で培われた特別な感覚にさらに加わる
心太のリーダー的な振る舞いに、仁美は呑み込まれているのです。
けれどその呑み込まれた感じは嫌なものではなく、むしろ心地よいものだと仁美は思い至るのです…。
そしてもうひとつ丁寧に描かれるのが「生をまっとうする」ということについて。
この物語は4章立てで描かれるのですが、各章の冒頭に彼らの「死に様」が描かれてから、物語がはじまります。
訃報記事のような形でかれらの人生の最期が描かれ、4人それぞれがどんな人生を送ったかがざっくり分かった上で物語が進むのです。
生きていく中でこちらも避けて通れないのが、人の「死」があるということ。
身近な人の死は彼らに大きな衝撃を与え、彼らは自分はこれからどう生きていきたいのかを真剣に考えます。
将来を大事に思い、計画を細かく練りながら過ごすのか、
または今を大事にして、自分の気持ちのおもむくままに過ごすのか。
自分ではコントロールしきれない「性」の感覚と合わさりながら、彼らはいろんなことを思い、経験をし、そして人生の学びを得るのです。
この物語は恋愛小説とも青春小説ともいいがたく、でもそれに近い感情を読み取ることができる不思議な物語です。
あえてこの物語がどういう物語かと言うならば、
この物語は生きる上での「学び」の過程を丁寧に描こうとした物語なのではないか、と思っています。
彼らがいろんな人と出会い、つながり、ぶつかり、別れ、いろんな経験をして人生をまっとうする様を「学び」そのものととらえているのではないか。
そういう意味でこの物語は人間の「学問」を描き尽くした作品なのだと思います。
わたしも「学問」を怠らず、人生をまっとうせねばならないなぁと身が引き締まった一冊でした。

