あけまして令和!
おとといは深夜3時半起きで帰省したので時代またぎの瞬間まで起きられず22時くらいには爆睡してました。
新しい時代もささかわの読書ブログをよろしくお願いいたします!
ほんとお正月みたいな気分になっちゃいますね。
令和の時代は幸せな日々がより多くなりますように!!
さて、先述の通り疲れ果ててしまったため平成のうちに読みきれなかった物語がありました。
時代をまたいで昨日読み終えました。
読み終えて寝落ちしてしまったので令和2日目の朝にブログ更新です。
懐かしい!!という反応の方も多いのではないでしょうか?
『豊饒の海』を読んでいたときに無性に読みたくなった作品です。
赤い本と青い本、どちらから読んでも良いらしいですが、個人的には赤から読む方をおすすめします。
連載は江國さん→辻さんの順番で交互に書き進めていったみたいですね。作品の書き方も画期的だと話題になったベストセラーです。
江國香織・辻仁成の共著『冷静と情熱のあいだ』はタイトル通り「冷静と情熱のあいだ」をさまようふたりの男女の葛藤が描かれた恋愛小説です。
江國香織さんが女性側・あおいの目線で、辻仁成さんが男性側・順正(じゅんせい)の目線でふたりの間に起こったできごとと心模様を描いていきます。
この物語の舞台はイタリアと東京。
東京で出会ったふたりはお互いを深く愛していましたが、当時大学生だったふたりは若さゆえのトラブルとすれ違いにより別れてしまいます。
この物語はふたりが別れてから数年後、お互いが別々の生活を送るなかで過去を回想するかたちでお互いの思いが描かれていきます。
あおいはミラノのアンティークジュエリーショップで働き、アメリカ人の彼がいます。
順正はフィレンツェで絵画の修復士として働き、イタリアと日本のハーフの彼女がいます。
それぞれ過去のことを切り替えて別の人生を歩もうとしますが、ふとした時にお互いのことを思い出しては切なさと悲しさで胸がいっぱいになるのでした……。
別れてからふたりは連絡を一切とらず、もちろん再会もしていません。
お互いがお互いを忘れられないでいることなどつゆ知らず「もう自分のことなど何とも思わないだろう」と諦めて絶望的な気持ちになるのですが、ふたりとも相手を想っていて、しかも意外と近いところにいることが読みながらわかるため読み手はなんとももどかしい気持ちに駆られます。
この物語では東京の梅雨みたいにいつまでも気持ちの晴れないふたりの様子が描かれますが、それでもふたりの心の底にはかすかな希望を持っています。
それはふたりが付き合っていたときになんとなく交わしたとある約束。
こんな約束なんてきっともう忘れているだろうと思いながら、ふたりは約束をよりどころにして日々を送るのでした……。
映画にもなっているのでその後ふたりがどうなるのかを知っている人も多いと思います。
ふたりが付き合っていたときとは生活が全く違い、お互い感情的に動けない「事情」を抱えています。
約束を忘れてしまえればどんなに楽か、と思いながらも忘れられない自分に気づき、「冷静と情熱のあいだ」で彼らは選択を迫られます。
三島由紀夫『豊饒の海』では感情と理性のどちらかに振り切ってしまった人間の悲劇が描かれますが、誰もがそんな劇的な生き方などできません。
最終部で「冷静と情熱のあいだ」の振れ幅が最大になります。
結末を読んでもどかしい気持ちは頂点に達しますが、どちらかに振り切れない、悪く言えばウジウジした様に無性に共感してしまいました。
感情と理性、パッと振り切ってものごとを判断できたら良いんだけれどねぇ。そうもいかないよねぇ。と。
東京の梅雨はしつこいです。
人間の心にもそんなしつこさがあると思います。
コントロールしようにもできない、「泥臭さ」とでも言うようなところがわたしは好きなのかもしれないと感じました。
イタリアの美しい街並みも描かれています。
この物語を読んでいると「過去へ逆行した街」「歴史を守る為に、未来を犠牲にしてきた街」と作中で言われるフィレンツェに猛烈に行ってみたくなります。
近いうちに行きたい。5年後までには叶えたいです。
