いま一番観たくない映画の原作小説を読みました。
「スマホを落としただけなのに」。
予告編。おーこわ。
この作品はなんといってもタイトルが秀逸です。
「スマホを落としただけなのに」、何が起こったの!? どうなっちゃうの!? と想像させるタイトル。映画が上映されてからというもの、いろんなところでポスターを見かけては戦慄する日々を送っていました。
ああもう想像するだけでこわい。身の毛がよだつ。
でもどうなっちゃうか猛烈に気になる……でも映画じゃあ怖すぎて心臓がもたないかも……!!
観たい! いややっぱり観たくない!! が喧嘩した結果、自分のペースで読める小説を読むことにしました。怖かったらいつでも読むのを辞められるし。
結果、一夜で読み切って頭が真っ白になりました(疲れで)。
はぁーーー。
一気に読んでしまいました。
これじゃあ映画観たのと変わらなくね? と一瞬思いつつ、物語が終わった解放感にしばらく浸っていたのですが、一晩経って「あれ?」と思うことがポコポコと浮かんできました。
まず物語のあらすじですが(言わずもがなですが……)、田中圭演じる富田というドジっ子サラリーマンがスマホを落としてしまったために、彼の身の回りで数々の悲劇と事件が起こる物語です。
わたしはてっきり田中圭(富田)がものすごいひどい目に遭う物語だと思っていたのですが、そうではありませんでした。
悲劇に遭うのは富田の彼女の稲葉麻美。
麻美は黒髪ロングの美人な女性。
富田は麻美との結婚を意識しているけれど麻美は踏ん切りがつかず、ああだこうだと引き延ばしているときに悲劇が訪れます。
その後の展開は書くまでもないでしょう。
拾ったスマホのロックがうっかり解除できちゃったら、どんなことになるかだいたい想像できるのではないでしょうか。
読みながら恐怖に震えまくりました。
iPhoneのパスコードやフェイスブックのパスワードを確認しまくったのは言うまでもありません。笑
スマホの拾い主が麻美の存在に気づき、麻美に惹かれてしまったことが悲劇のはじまりでした。
その後の物語展開は映画のようでした(映画観てないけど笑)。
「A」「B」「C」の3人の視点が交互に入れ替わり、カメラの視点がコロコロ変わるような映画的な構成で物語は進みます。
麻美は日常生活を送っているつもりなのに、スマホの拾い主はすべてそれを把握していて……。そしてもうひとつの視点では、麻美と何ら関係のなさそうな刑事たちのエピソードが入ってきます。これらが絶妙に交錯して、どんどん物語は核心へと迫ります。
後半部、クライマックスの「映画感」は見ものです。
こりゃ映像にしたくなるよなぁ、という動きのある描写が続きます。映画を観ていないわたしですらどんな動きをしたか容易に想像できるほど。動きがあってスリリングな場面を読み、映画的な文章というものもあるのだなぁと感嘆しました。
最後まで読みおわり、「あーーーやっと終わったーーー!」と一本映画を観終わったときのような解放感がやってきました。
脳内イメージは完全に田中圭と北川景子だったので、もはや映画の再現をしていたような気がします(原作とあらすじが違うかもしれませんが、富田はナイスキャストだと思います)。
読み終わった解放感と興奮が落ち着いたころ、スマホをいじりながらゴロゴロしているときにふと「あれ?」という気持ちになりました。
この物語はハッピーエンドっぽく書いてるけど、そうなのか? と。
なんか、麻美がただただかわいそうな目にあっただけの物語なんじゃ? と。
一度そう思ってしまうと気持ちはなかなかおさまりません。
ここからは読んだことのある人ならわかってもらえるだろうわたしの疑問です。
落としたのは富田のスマホなのに、なんで麻美が標的になってんの? 富田の被害は金銭的でいくらでもフォローできるけれど、麻美の被害はフォローしようがなくない? めっちゃトラウマじゃない??
(※注釈:後半部で麻美はとんでもない目に遭います。どうにかハッピーエンドっぽくおさまったとは言え、麻美の公開処刑っぷりには胸が痛みます……富田のヤローめ! と怒りたくなりました)
いくらドジっ子だからって悲劇の引き金を引いた富田が全然悪くなく書かれてるけどそれってどうなのよ?? むしろ麻美の過去の方が罪深いみたいに書かれてない??? そうなのか????
拾い主の罪、麻美の罪は物語内で裁かれたけれど、富田の罪は最後までうやむやになっていないか????
最後の涙は嬉し涙じゃなくて、富田が自分の罪深さに気づかなかったことの悔し涙だったりしない? 深読みしすぎ??
という感じで、読み終わって悶々と考えてしまったのです。
女性ばかりすごくひどい目にあっていて、かつ救われているようで救われていないような気がするのです。
これはわたしの考えすぎでしょうか。うーん。。。
なーんてことを考え込んでしまった昨晩なのでした。
あーめんどくさい。
このような被害に遭わないためにもフェイスブックのパスワードとスマホのパスコードを難解なものに設定しようと誓いました。笑
なにはともあれ、とても勉強になった反面恐ろしすぎて震える(実際に起こらないでほしい)一冊でした!!
