| 誰がアパレルを殺すのか/杉原淳一/染原睦美 1,620円 楽天 |
6月3日の朝8時、代官山蔦屋書店横の「IVY PLACE(アイビープレイス)」で読書会。
メンバーは女5人。うちふたりはファッション誌の編集者、ひとりはスタートアップ企業(ハイテクな靴のメーカー)に勤め、ひとりはファッションで起業を目指している。
みんなファッションに対する意識が高く情報通で、仕事もファッションに近しい人たちが集うなか、わたしだけ「おしゃれが好きなただの消費者」として参加した。
今回の課題図書は杉原淳一・染原睦美『誰がアパレルを殺すのか』(日経BP社)。
本書は日経の記者ふたりが取材を通して日本のアパレル企業の問題提起、栄枯盛衰、アパレル業界の今後について記したもので、タイトルのインパクトと本カバーのビビッドピンクが目を引く一冊だ。
「アイビープレイス」の意識高い朝ごはんを食べながら、それぞれの感想と学んだことを語り合う。
わたしたちは80年代後半〜90年代生まれの「ゆとり世代」「ミレニアル世代」というやつ。小学生の頃にユニクロのフリースに熱狂し、浜崎あゆみのまねっこをする人が続出した世代である(たぶん)。
バブルを知らないため、「DCブランドを買うために百貨店に大行列をなす」写真に皆驚く。イメージとしては「新型iPhoneを買うためにアップルストアに並ぶ人たち」という感じ。
そこまでのバブル感はなかったものの、わたしたち世代はあゆのまねっこをしたり、雑誌に出てくるカリスマ店員などが多くいたから「◯◯(ブランド)の服やグッズを手に入れるのがステイタス」というのはまだあったと思う。
でも今は、そういうファッションアイコンやステイタスがほとんどないらしい。
なぜなら情報が溢れすぎていて強大なトレンドが湧きにくいから。
インスタグラム(ファッションだと特に)のおかげで自分に親和性が高い“憧れの人”(インスタグラマー)を見つけられるようになったかららしい。
トレンドが湧かないと、大きな経済効果も生まれない。トレンドを生み出す立場のファッション誌編集者は昔よりももっと知恵を絞らないといけないと危機感を抱いていた。
そして話題にのぼるのが「メルカリ」「エアクローゼット」などのフリマアプリや洋服のレンタルサービス。
「新品じゃなくていい」「そもそもモノを増やしたくない」人たちはけっこういる。そこにビジネスチャンスがあるよね、と話しつつ、ステイタス意識のままで「モノ」だけを売り続けたら生き残れない時代なんだな、と痛感した。
おしゃれが好きな消費者のわたしがこの本を読んで思ったのは、
①たしかに最近似たような服ばかり売っていてつまらない
②ユニクロとZOZOTOWNすごい
③アパレルだけでなく、どのビジネスもモノだけを提供するのではなく、その先のライフスタイルまで提案していかないといけない
ということだった。
①と②は本書に詳しく書かれているので割愛するが、わたしがいま勤めている会社もかなり「守られている」メーカーで、百貨店の業績不振を身につまされる思いで読んだ。
生き残るために、本業とは別の新業態を作り出さないといけないと強く思った。
そこでなるほどなぁ〜と思ったのは、「アースミュージック&エコロジー」などのアパレル以外に飲食・ホテル事業まで展開したストライプインターナショナル。
「どういう服を着たいか」から「どういう暮らしをしたいか」というライフスタイル提案に事業を広げる企業は他にもあり、今後こういう動きは加速していくのだろうと感じた。
それからわたしのお気に入りブランド「UNITED TOKYO(ユナイテッド トウキョウ)」のことも書かれていてさらに好きになった。
そもそもこのブランドのデザインが好みなのだが、「UNITED TOKYO」は全商品を国産にこだわり、素材も高級ブランドと遜色ないほどの高品質なのにジャケットが2万円代とお手頃価格なのがさらに良い。
それは創業者のアパレル業界の常識から逸脱した姿勢から派生している。もともと老舗百貨店の家に生まれたのだが、学生の頃に家業が倒産したことでこれまでの百貨店・アパレル業界の商習慣に疑問を抱くようになったそうだ。
創業者のストーリーにも惹かれるところがあり、トウキョウベース(「UNITED TOKYO」の会社)をさらに応援したくなった。
自分の感想が多くなってしまったのは、みんなであれこれいろんな話をしたのだけれど、朝ごはんに夢中になったため、あまり記録をとっていないからだ(笑)。
好きなブランドの話から、大手企業の買収の話、NYの話、109、環境問題、某アパレル企業の販売員のお給料、百貨店のポップアップショップ、マッチングサイト、プラスサイズ向けの洋服などなどファッションの話題で大いに盛り上がった。
5人の立場はそれぞれ違うけれど、今のままではいけない、何か手を打たないといけない、という危機感をみんなが感じていたのが興味深かった。
単純にモノを売るだけじゃ消費者に振り向いてもらえないシビアな時代に、わたしたちは一体なにができるだろう?
そういうのは起業する人が考えるもの、会社で働いているから考えなくて良い、という時代じゃなくなっている。だっていつまで会社員でいられるかわからないし(自分の話……)。
本書はわたしがなんとなく抱いていた危機感を明確に示してくれて、さらに少しの希望の光を見せてくれた一冊だった。
これからもこの危機感を忘れないようにあらゆる方面の情報収集につとめたいし、これからも読書会を続けてサバイバル意識を高めていきたいと改めて感じた一日だった。
こんな感じで朝8時から11時過ぎまで喋り倒した。
アイビープレイスでデザートを食べ損ねた&喋り倒したらなんかお腹がすいてきたので代官山駅前のアイス(three twins ice cream)を食べた。めちゃうまでした。
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