頑張るのって、しんどい。
一念発起して3日が経った。
自分の野心と向き合うことは、想像以上にしんどいことだった。
3日目で泣き言を言うのは情けないし格好悪いけれど、西加奈子『まにまに』を読んだら、肩の力が抜けて、つい「あ〜しんど〜」と声が出た。
西加奈子作品の魅力はブログの「西加奈子」テーマで散々語っているのでそちらを参照していただきたい。
「こんな作品を書いた○○ってきっとこんな人なんだろうな・・」というように、作品を通して作者の人物像を勝手ながら想像することがしばしばある。
西加奈子さんは感受性が豊かで、笑いにシビアで、愛に溢れた人なのだろうな、と思っていた。『まにまに』で綴られた西加奈子さんの人物像は、まさにその通りだった。
・・と、他者から勝手に「西加奈子ってこんな人」と言われるのを嫌がりそうだな、と思った。
「第1章 日々のこと」では西加奈子さんの情緒と自意識の不安定さに共感しすぎて読みながらニヤニヤが止まらなかった。人間ってそういうものだろう、と思えてすごく楽になった。
わたしが特に共感したのは「さんづけのどや感」(68頁)と「解釈」(136頁)と「清潔な」(150頁)だ。「さん」づけの法律を作ってほしいと本気で思う。わたしは西加奈子さんに心酔しているから、絶対に呼び捨てにできない。だから西加奈子「さん」と近しい感じを出してしまっているのだ・・。
「第2章 音楽のこと」では邦楽ロックとアイドルソングばかり聞いているわたしを「ブラックミュージック系、とか」(162頁)の世界へ連れていってくれた。
すぐ調べてすぐ聴けるネット時代に感謝した。オーガスタス・パブロが一番衝撃を受けた。ピアニカは間抜けな音しか出ないと思っていたからだ。
「第3章 本のこと」では自身のお気に入りの小説(計17冊)の魅力を語っている。いままで猫背であぐらをかいたようなリラックスした文章の雰囲気からがらっと変わり、第3章では背筋を伸ばして正座するような姿勢ではっきりと物語の魅力を語る。
読書感想文の読書感想文を書くというメタメタ(メタファーのメタファー)な状況はとても変な感じだが、西加奈子さんは好きな作品を語る時ほど簡潔に、伸びやかに作品の魅力を語っている。
プロの言葉を前に感服、圧倒、完敗した。言葉が研ぎ澄まされている。
今のわたしには足りないものだらけだよ、と突きつけられ、感服する一方でどろどろした感情がこみ上げた。
また、西加奈子さんのワールドワイドな読書の幅にも圧倒された。「第3章 本のこと」では反省することしきりだった。
読了後、西加奈子さんが紹介していたいくつかの本を早速ネットで注文した。好きな作家の好きな本を買うというヲタク的行動はとても気持ちが良い。
この本をわたしはどう感じるのか、西加奈子さんの感想に引きずられてしまうかもしれないけれどちゃんと自分で書いてみようと思う。
西加奈子作品は、小説であろうがエッセイであろうが一冊の本から愛が滲み出ている気がする。
『まにまに』を読んで、西加奈子さんの人柄に惹かれ、「西加奈子さん、めっちゃ好きだ」と改めて感じた一冊だった。
これからもブログテーマ「西加奈子」はどんどん充実していく予定だ。
