「小学校、中学校のときには
地域で、学校で見かけたあの子
そういえば、見かけなくなったなぁ
そんなふうに、大人になるにつれて
地域から仲間はずれになった「あの子」たちが
ここにいるのだと思っている」
一昨日参加した 神奈川県中小企業家同友会ダイバーシティ委員会での
県立中井やまゆり園の見学会にて。
今年6月に就任された園長のお話は
そんなふうにはじまった。
※同園は県立津久井やまゆり園が開園した
8年後に中井町に開設された。
職員による虐待について県が昨年設置した
有識者による調査委員会が
今年5月最終報告書を発表
虐待が疑われたケースは25件
そのうち9件が虐待と認定され
関与が疑われる職員は64人
不適切な支援を含めると、71人に及ぶ。
●なぜ自分がここに来たのか
●これから自分はどうなるのか
何もわからず、伝えられず
過ごしてきた人も多くいた中
就任後から個別面談を
重ねてきた園長。
面談で
「人間になんか生まれなければよかった」
と話してくれた男性は
怖いのか?と聞くと
怖い と答えたという
中井やまゆり園では現在
89名の方が入所されている。
園内に6つあるうちの一つの寮では
強度行動障害のある方々が過ごされていて
そこでは長い間
個室で過ごすことが常であり
食事も個室提供が当たり前だったそう。
強度行動障害のある方がお過ごしの寮
自分でタイマーを使って
1日の予定を全て1人で自己完結していた男性は
昨年クラスターが発生して
生活が制限され、不安定になる方が少なくない中
1人淡々といつも通りに過ごしていた
その様子から、
職員はこれまでの支援の
反省を迫られたのだと
神奈川新聞の特集記事にも
取り上げられていた。
「自立とは『問題を起こさず、1人で完結できるようになること』ではない。
構造化をして、刺激を排除する
それが本人にとって有効なフェーズもある。
だけど、
永遠に1人だけで完結する世界にいること
それは孤独でしかない。
必要なのは【そばにいてくれる仲間】
人との関わりがいらない人なんていない。」
との園長のお話に、
以前見たドキュメンタリー映画
【僕と魔法の言葉たち】の1シーンが思い出された。
自閉症の青年が
「僕たちだって人と関わりたいと思っているのだ」
と訴えるスピーチに大きな拍手が贈られていた。
http://www.transformer.co.jp/m/bokutomahou/
地域とのつながりを持つということは
単に 住む場所を変える だけが
正解じゃない、と
みんながしあわせに生きるために
一緒に、どんな目標を持ってやっていくのか
一人ひとりと向き合い話し合って
ここを帰ってくる場所として
活動を地域の中に広げていく
そんな取り組みをはじめている
中井やまゆり園のみなさん。
入所者全員が園を出る日を設けた
先月末には、
「人間なんかに…」と話した男性も
水族館ですごし、笑顔が見られたそう
これまでは自立課題がほとんどだった
日中作業に受注作業を導入したり
園外の農地で作業をしたり
地域社会とつながるために
職員のみなさんも、利用者のみなさんも
さまざまな角度から新たな挑戦を
されています。
受注作業の手帳解体
今回の見学会には13の企業が参加
課題は今も、これからも
もちろんあるのだろうし
報告された事例に関係する
職員も、ここで過ごされている方も
外部からは想像し得ない苦しみが
心の中にあるのかもしれない
だけど
見学させていただいた施設の様子や
利用されている方、職員のみなさんの雰囲気からは
そこにある日々の生活の温度
笑顔やあたたかいやりとりが
私には感じられました。
福祉の現場に関わらず
虐待の報道を見て私がいつも思うのは
加害側のその人は、私だ ということ
「なんでそんなことをするのか理解できない」
と心から素直に思う人に出会うと
うらやましく思う。
こういう話をすると
「気持ちがわかるのと
実際にするのは違う」
と言われることもあるけれど
私はそうは思わない。
擁護するという意味でなく
いつ、なんの拍子に
自分もそうなるかはわからないと
いつも思っているから。
自分の中にある残虐性や狂気、暴力性
今自分が加害者になっていないのは
自分につながる、私を孤独にしないでいてくれる
全ての人のおかげなんだと思う
先日、教育誌のインタビューで
久遠チョコレートの代表夏目浩次さんに
お話を伺った。
障害のある人も、子育て中の人も、
さまざまな事情を持つ人たちが
生き生きと働く久遠チョコレート
でも、そこに
「すごいですね」
という賛辞はいらない、と。
人ごとにして欲しくない
みんなが自分ごととして人本来の優しさを持った
社会を作るんだと話されていた。
「入所施設の改革、大変ですね
これからもがんばってください」
そういう意識が
入所施設を地域から孤立させ
「あの子」を仲間はずれにするんだと
私は思う
今回、中井やまゆり園のみなさんと
つながらせてもらった一員として
ここで暮らす、働くみなさんと一緒に
私にもできることはないか
私が大好きな「楽しいこと」を
シェアできたらいいなと思っています。
参考
https://www.kanaloco.jp/news/social/article-1006361.html









