3月11日は毎年、札幌の教育大の軽音サークルでお世話になった、先輩のことを思い出す。
被害が甚大だった、ご実家のある大船渡市の市役所にお勤めだった。
震災後にテレビを見ていると、たまたま先輩のお母さんが映っていた。写真が流されてしまったと。流されずに残ったという、泥だらけの先輩の成人式の写真が画面に一瞬だけ映った。
軽音サークルの先輩の呼びかけで、みんなで先輩の写真を集めて、代表者がご実家へ届けた。
疎遠になっていた人たちがこのことを機に、連絡を取るようになったと言っている先輩もいた。
他の人たちが椎名林檎やらLUNA SEAやらレッチリやらをコピーしている中で
先輩はスティービーワンダーを歌っていた。
光のシャワーのような歌声で、素人とは思えない、本当に素晴らしいものだった。
雪が積もって街灯のオレンジが反射する、練習後の帰り道の情景や、『純子はどういう音楽が好きなの?』と話す先輩の声なんかをありありと思い出す。
人生は有限で、その終わりがいつなのかは誰にもわからないのだと、改めて感じる日。
