■印象に残ったシーン・その3
『いろとりどりの親子』
この映画には6組の親子が登場する。
ダウン症、自閉症、低身長症、同性愛、、、
それぞれにある種の「違い」を持っている。
その中に、障害とも病気ともされず
ただ、医師から『壊れている』と言われた
8歳の子どもを殺めてしまった少年の家族が
取り上げられていた。
原作本を読んだ、少年の父親が
作者に手紙を書いたことから
この映画には、この家族への取材が不可欠と
作者からアプローチしたそう。
何度も断られたとのことだが
ギリギリで、取材が実現した。
多様性は力である。
人それぞれの在り方は
他者から否定されるものではないと
私は思うのだけれど
その一方で
私たちは他者との関係性の中でしか
生きられないことも事実。
世界と折り合いをつけることは
どうしても必要なのだ。
300以上の取材対象からの、6組。
その中に、この家族を取り扱った意義は
大きいと感じた。
『自分が死んでも何も変わらない
一生背負って生きていくしかない』
少年の、父親の言葉。
ニュースで何度か聞いたことのある
このフレーズを
今まで私は
こんなにも重みとリアリティを持って
受け取ったことがあっただろうか。
寒い晴れた日の朝
父親がジョギングに出るシーン
背中越しに見える、空の色が
印象に残っている。


