よく遊びに行くキッズランドのボールプールには
滑り台がある。
その降り口に
ボールを黙々と、繰り返し
投げ入れている男の子がいた。
あぁ、ハルの仲間かな〜なんて
思ってみているところへ
ヒロ師匠が滑り降りてきた。
すると、お母さんが
男の子の手を引いて、
ボールプールの外へ。
男の子の背中には
ヘルプマークのバッジがついていた。
大丈夫だよ
私たち、わかってるよ
と心の中で呟きながら
ふと、
そんなふうに
自分たちも誰かから
見守ってもらえていることが
きっとあるのだろうな、と思った。
今日は建物入り口で
手作り品のマルシェが開催されていて
ヒロ師匠が指輪を物色している間
ハルは永遠に信号の音を
模倣し続けていた。
お店の方が
「年長さんかな?
なんの音かなぁと思ったら
横断歩道だ!
音も正確だし
すごいねぇ
かわいいね。」
と気にかけてくれていた。
こんなとき、いつも思うのは
今はかわいいと言われても
大人になったとき、どうだろう?
同じように見てもらえるだろうか?
怖いと思われないだろうか?
ということ。
帰りの交差点を
自転車で渡るとき
信号の色が変わる合図の音に
「ビービービービー」
と大きな声で合わせ始めたハル
ヒロも一緒に
「ビービー」
と言い出すと
向かい側から来た
自転車に乗った
高校生の男の子数人も一緒に
「ビービービービー」
と合わせて、大合唱になった。
奇妙な一体感に
その数秒間、そこですれ違った人達が
うふふ と笑った気がした。
世界は私が思っているより
きっと優しいのだ ということを
繰り返し、心に刻む。
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