はじめての方は、「はじめに①」「はじめに②」の記事から読んでいただけるとありがたいです(^O^)/
☆☆☆
冨山房潜入ルポ。
さて、ポテ子姉さんの
「それじゃ、行ってみましょう♪」発言に、
「いやぁ、行くっていっても、私なんの実績も、売り込みたい絵本があるわけでもないしなぁ…ちょっとどうもこんにちは、って言えばいいのかなぁ…。」
などとぼんやり考えながらも、とりあえずは
「い、行きます!!!」とこたえ。(;^ω^A
姉さんの背後にコバンザメのように張り付いて、入り口に近づく三十路毛玉女。W
そして当の姉さんは、なんの躊躇もなく、その扉を開けました。
ドアを開けると。
さほど広くない部屋の、入ってすぐのところにパーテーションがあり
その奥は何も見えない状態。パーテーションの手前には、大きな白いテーブルと、おじさんが一人、そこにたたずんでおりました。
「突然すみません。私たち、イラストを描いているのですが。たまたま今日、こちらに御社があると知り、失礼かとは思ったのですが、
少しだけでいいので、私たちのお話を聞いていただけませんでしょうか。」
とかなんとか、それらしきことをおじさんに話すポテ子姉さん。
「いや~、私、御社とかさっと口から出ないわ。姉さん、さすがですねぇ。」
などとこれまたぼんやりと考えながら、
「ほ~、これが出版社なるものかぁ。」と完全におのぼりさん状態で室内を見まわしていた私。
おじさんが
「いや~、今、担当の者が不在でしてねぇ。」
などとこたえてくださっているのを耳にしながらも。
私の目に飛び込んできたもの。
ドン!!

ちょっと興奮して撮ったもので、肝心の絵本がまったく写っていないという残念な写真になっておりますがf(^_^;
この本棚に、も~、これは!!!という絵本がぎゅぎゅっと並べられていて。
もちろん、かいじゅうたちのいるところや、その他にも
こんな本や
ぞうのボタン-字のない絵本-/冨山房

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ジルベルトとかぜ/冨山房

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なんかちっちゃい、箱に入った本や
ちいさなちいさなえほんばこ 4冊セット/冨山房

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ハル&ヒロのクリスマスプレゼントによさそうな、こんな本まで
サンタのおまじない/菊地 清

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本棚の手前にも、平積みにされまくり!!!
もうね、ここはいったい夢の国ですか??というくらいの、
私の好みの絵本がわんさかと置かれておりまして。
「ちょ、ちょっとこちら拝見してもいいですか??」
とおじさんに声をかけ。
返事も聞かずに次々と絵本を手に取る三十路女。
「これ!この『かいじゅうたちのいるところ』がねぇ。旦那も私も大ファンで…!!ここの出版社から出してるんですよね!?うわ~。すごい!!
うわ~!!こっちの絵本も、すごく良さそう!!ちょっと、あ~。あれもこれも欲しい。これ、ここで買えますかっっ!!!!????」
と、かなり前のめりな興奮状態で、おじさんがひくほどにしゃべりまくりっていた私。(°∀°)b
そしたら、何やらパーテーションの奥から、上品な感じのおじいちゃんがひとり出てきました。
おじいちゃん「いやぁ、どうも。」
おじさん 「こちら、うちの社長です。」
シャチョー‼
キタ━━━(゚∀゚)━━━!!!
おじいちゃんとか言ってる場合じゃないよ!!!!
この、素晴らしい作品を日本中に広められた出版社の社長!!!日本の絵本界に名を残すお方ですよ!!!!!
は~っっ!!!もう、こころの中で土下座しましたね。社長に後光がさして見えましたよ…。(*´Д`)
「はっっ!!!この、かいじゅうたちのいるところ、もう大ファンで!!!ドアの外にチラシが貼ってあったんで、思わず入ったんです。
本当に、素晴らしい絵本です。映画化されたのも、主人と一緒に見に行きました。
うわ~、この大好きな絵本を出版された方!!!まさか自分がお目にかかれるとは!!!夢のようです!!!!!(;´Д⊂)」
とかなんとかもう大興奮で話したので内容が定かではありませんが
たぶんこんなようなことをべらべらとしゃべり
そのうちに感動しすぎて涙まで出てきました。
完全に変な人ですね。(°∀°)b
そしたら、冨山房の社長、坂本さんは
ぽつりぽつりと
その本棚に並ぶ絵本たち、ひとつひとつとの出逢いの物語を、私たちに聞かせてくださったのです。
「かいじゅうたちのいるところ」
世界中で約2000万部、日本で100万部のベストセラーとなっているという、この絵本。
1975年に冨山房から出されたものですが
実はそれ以前(1963年)には、「いるいるおばけがすんでいる」というタイトルで、別の出版社から出版されていました。
坂本さんは当時、アメリカでコールデコット賞をとった、この絵本の原書を取り寄せて読まれたそう。
それで、この和訳のタイトルに違和感を感じられていたそうです。
「『Wild Things』(原題)は、『おばけ』じゃないよなぁ。」と。
そんな思いをずっと持ち続けていた坂本さん。
あるとき、その出版社、事情があって「いるいるおばけ」の翻訳権を放棄したそうです。
そこで、この冨山房出版から心機一転、神宮輝夫さんの訳で出版されることになりました。
坂本さんと神宮輝夫さんは、この絵本の出版がきまる少し前に出逢われたばかりだったそうです。
(これを書くにあたって、神宮先生のことを調べてびっくり☆宇宙戦争も、ちびくろさんぼの冒険も、人間になりたがった猫も、先生の訳だった!!!)
それが、この出版社が出した初めての児童書となったのです。
そんなお話の他にも。
「サンタのおまじない」は、作者の菊池清さんが、もともとは野菜嫌いの息子さんのために作られたものだそうで
その息子さん。今はとうに成人されていて、なんとバレエダンサーとしてご活躍であるというお話とか。
「ちいさなちいさな絵本箱」は
ある幼稚園の先生が、「園児の書いた絵本を小さな箱に入れた作品にできないか」という相談にきた話を
その相談を受けた編集者から聞いたセンダック(かいじゅうたちのいるところの作者)が、
そのアイディアを採用して作ったものだ、とか。
そんな、それぞれの絵本の出版に秘められた、宝物のようなお話たちを、坂本さんから伺うことができたのです。
そして。
「この本はね、イタリアのボローニャ国際児童図書展で、版権を買ってきたものなの。」
と、坂本さんがご紹介くださった作品。
やっとやっと登場しましたよ。
それがこちらです!!
いいこってどんなこ?/冨山房

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「手に取って、これは!と思ってねぇ。でも、絵の雰囲気が、日本ではあまり見慣れない感じでしょ。だから、どうかなぁと思ったんだけど。お陰様で、好評をいただいていてね。
作者の方は、このとき初めて国外に版権を売ったといって、喜んでおられたのですよ。」
と、坂本さんが語ってくださるこの本のエピソードお聞きしながら
私もこの本を手に取り、ぱらぱらと一読させていただきました。
瞬間。
全身に鳥肌が立つような思いがしました。
私が、夏ごろからずっと自分のテーマとして思いを馳せていた、自己肯定感。
その核心が、とても完結に、まあるくて優しい形となって、この絵本に表現されていたのです。
「うわ~、これは…!!!すばらしいです…。」
と言いながらも、私は涙がこぼれました。
「私、ずっと自分なんかだめだって思って生きてきたんです。それを、やっと最近、『自分はそのままで十分すばらしい存在なんだ』ということを感じられるようになってきて。ずっと考えてきたことが、ここに書いてありました。」
とかなんとか夢中で感想をお伝えしました。
これまた感極まって、実際にどんな言葉を選んだのだったか、あまりよく覚えていませんが。f(^_^;
そのくらいね。本当に、心が震えました。
自分が感じていたことは、私だけじゃなくて、子どもだけじゃなくて、大人だけじゃなくて、日本人だけじゃなくて、
世界中の、すべての人に共通するテーマなんじゃないかって。
この素晴らしい絵本を、すべての人が自分へのメッセージとして受け取ってほしいなぁって思いました。
最後に坂本さんに、ひとつ質問させていただきました。
「本を出版されるにあたって、一番大切にしていることはなんですか。」
坂本さんは、完結に
「質の高い本、ということです。」
とお答えくださいました。
そして。
いい編集者がいないと、いい本は出せない。
どういう方に翻訳を頼むか。原稿の仮名遣いはどうか。印刷屋さんとの調整。
その作品を最高のかたちで世に出すために、トータルでプロデュースすることが、編集の仕事なのだ、という主旨のことを教えてくださいました。
とつとつと、とても落ち着いたお話のされかたをする坂本さん。
でも、その発せられる言葉のひとつひとつからは、坂本さんの本を出版するというお仕事への、熱い思いが伝わってきました。
今回、出版社で働かれる方の本に対すれあつい思い、その深い愛情を期せずしてお聞きする機会をいただいた、赤星さんと私。
本を出すって、いろいろたいへんなのだろうけど
やっぱり本って、素晴らしいものだなぁ、と思ったのでした。
それから。
私は、このポテ子姉さんの直観力と行動力が導いてくれた素晴らしい出逢いに、本当に感激してしまって。
冨山房を出る際に、
「すみません、私、ハグ協会に入ってるんですが。ハグさせていただいてもよろしいでしょうか??」
と申し出るという、わけのわからない展開に持ち込みました。(°∀°)b
坂本さんも、編集の方も(始めの方で、おじさんおじさん書いてて本当にすみません(T▽T;))快諾してくださり
ハグからの記念撮影までさせていただきました!!!!

お仕事中に突然押し掛けたにもかかわらず、愛ある対応をしてくださった冨山房の皆様、本当にありがとうございました‼(TДT)
1886年に設立された、この歴史ある出版社。
現在は児童書の出版が中心だそうですが
もともとは、三省堂、博文館と並ぶ、代表的な辞書出版社だったそうで
私でも知っている、「大言海」もここの出版。
いやぁ、それをね、今この記事書くのに調べて、初めて知った私。
これ、知ってたら、そんなすごい出版社の社長さんに「ハグさせてください♡」なんて言えなかったかもな…(゜д゜)遠い目。
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