おしどりという鳥の雄は「鴛(えん)」、雌は「鴦(おう)」と書く。

 普通 おしどり を漢字で書くときは「鴛鴦」と書くから、字までツガイ・・・。

 

 色彩の地味な雌と一緒にツガイでいることが多く、鴛鴦夫婦の名の由来となっている。

 

 全国に分布、繁殖。森林に囲まれた山の湖や池。木の陰の水面を好むので、あまり他のカモとなじまず、おしどりだけの群れをつくる。

 

 

 岸を樹々が覆うような場所を選んで群れて生活する。

 

 

 

 

 

 色彩豊かな雄たち。

 

 

 

 

 

 婚活中か・・・。

 

 

 

 

 

 

 ひときわ美しいオスの横に、地味なメスが寄り添うようにして泳ぐ。

 

 

 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の『怪談』のなかに、こんな話がある。

 

   「おしどり」

 陸奥の国、田村の郷の住人に村充(そんじょう)という名の鷹匠がいた。

 ある日、村充は狩りに出かけたが、獲物に恵まれなかったので家に帰ることにした。途中、赤沼というところまで来ると、川を渡ろうとしているつがいの おしどり が目に入った。

 おしどりを殺めてしまうのは感心したことではないが、村充は腹を空かせていた。気がとがめたものの、つがいのおしどり目掛けて矢を放った。矢は雄に命中した。雌は慌てふためいて向こう岸のイグサの繁みに逃げ去った。

 

 村充は家に帰ると、射落とした おしどり を調理して食した。

 

 その日の夜、村充は不思議な夢をみた。美しい女が枕元にたってさめざめと泣くのである。村充は胸が張り裂けそうになった。

 女はやがて、村充に向って大声でいった。

 「村充さん どうして主人を殺めたのですか。一体、あのひとが何をしたというのですか。私たちはこころの底から愛し合って幸せに暮らしていたのに、何の理由があって、こんなむごいことをなさるのですか。

 主人亡き今、もう生きていけません。あなたは、私をも殺しておしまいになったのですよ。きっと、犯した罪の重さをご存知ないのでしょう。しかし、明日の朝、赤沼にいらっしゃればすべてが明らかになります。」。

 

 次の日の朝、村充は夢に出て来た女のことばが気にかかった。半信半疑ではあったが、赤沼に行ってみることにした。

 

 

 

 

 

 

 赤沼に着くと、昨日みた 雌のおしどり が一羽だけで泳いでいた。雌のおしどり は村充の姿を見つけると、身じろぎひとつしなくなった。

 

 しばらくすると、雌のおしどり が突然、けたたましい声で泣き叫ぶやいなや、くちばしで全身をつついて命を絶った。

 

 

 

   村充は出家して 僧 になった。

 

 

 

 このような話である。

 

 仲の良い夫婦のたとえに使われる「鴛鴦」・・・実際には毎年相手を替えるそうだ。それも、雌の方に選択権があるという。

 

 

 

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