息子が乗ってくる電車のホームで、息子を待った。
たぶん、そこで待ったのは10分もなかったはずだけれど、すごく長い時間に感じた。
電車がホームに入ってくる。
私は、すぐに息子を見つけた。
やっと会えた。
無事に会えた。
ここまで長かった。
でも、よかった....。
息子も落ち着いている様子だった。
駅のベンチに座り、息子の話を聞く。
そして、私も私の気持ちを話した。
「今からお父さんと3人で話して、
それでもダメならお母さんと一緒にいよう」
そう伝えた。
私にとって、元夫に会うことは恐怖でしかない。
顔を見ることを想像しただけでも怖い。
でもここで逃げるわけにはいかない。
そう感じた。
そして、息子と2人で、元夫が待つ場所に向かうことに決めた。
待ち合わせ場所で、息子と2人で元夫が来るのを待つ。
すぐそこまで元夫が来ているかと思うと、
そう考えただけでものすごく怖かった。
どんな顔でここに来るんだろう。
何を言われるんだろう。
どんな言葉で責められるんだろう。
とにかく怖かった。
しばらく待っていると、
急に目の前に元夫が現れた。
でも、元夫は私が想像していた姿ではなかった。
憔悴した様子だった。
顔も血の色を感じられなかった。
元夫は開口一番、息子に対して
「ごめん」と謝った。
予想外だった。
まさか、元夫が先に謝るなんて、全く想像していなかった。
私は本当はわかっていた。
元夫は、心ない言葉を発してしまったとしても、
本心からそう思っているわけではない。
本当は、息子のことが大好きなのだ。
だから、元夫の前で、息子に伝えた。
「お父さんがあの時言ったことは、お父さんの本心ではないよ。本当はお父さんはあなたのことが大好きなんだよ。ね、お父さん、そうでしょう?」
すると元夫は、うんそうだよ、と頷いた。
息子は納得して、元夫と一緒に家に戻ることになった。
そして私が2人と別れようとした時、
元夫は、私に向かって、
「ありがとう」
と小さい声で言った。
この言葉も、全く想像していなかった。
