『正欲』
朝井リョウ
<2021年3月発行>
2022年 本屋大賞ノミネート作
あってはならない感情なんて、この世にはない。
それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだーーー。
共感を呼ぶ傑作か?
目を背けたくなる問題作か?
絶望から始まる痛快。あなたの想像の外側を行く。
作家生活10周年記念、
気迫の書下ろし長編小説。
感想
もう、読んで衝撃を受けました。
なるべく、ネタバレを避けて感想を書いていたら、、、、
感想が長くなってしまいました。![]()
社会は、日々変わりゆく。
価値観、考え方、常識、、、
昨日はそうであったものが、今日はそうではなくなる。
ゆういつ、平等だけは守らなければならない社会。
そんな中で、
さまざまな性を認め合う社会の推進 に取り組んでいく社会になりました。
人口の5%は、同性愛を含んだセクシュアル・マイノリティと言われています。
性的指向において、異性愛だけが 正常・自然・普通 なのではなく、
同性愛を含んだ 多様な性的指向が、個人の尊厳のために
等しく尊重されなければならない とされている社会になりました。
今の世の中では、このようなセクシュアル・マイノリティは、
多くの方々が、社会的にも認識して理解されています、 私も理解していました。
しかし、 「多様性」 ということは、
これ以外にも、まだ他にもあるということなんですね。
「多様な性的指向、個人の尊厳を尊重する世の中を目指す」 のが、
今の社会の在り方だとされています。
多様性となっている当事者の人たちは、当然 少数派 です。
そして本中では、「まともではない側」 と書かれています。
多様性を認めることを推進している人たちは、 多数派 です。
そして本中では、「まともな側」 と書かれています。
ネタバレになるので、詳しくは書けませんが、 いくら多様性と言っても、
その多様性の中で、今の社会が推進しているのは、
セクシャル・マイノリティぐらいだと感じています。
この作品を読んでいると、
その他にも、特殊な多様性を持つ人たちがいて、
その人たちは、自分の多様性を いくら説明しても理解されない人たち、
その孤独と生きずらさ、苦しみが伝わってきました。
この物語を読んだらわかるのですが、
今の社会が推進している 「さまざまな多様性を認め合う社会」は、
推進している 多数派が、相手を理解できる、想像できる範囲でしか、
認められない ということなんですね。
当然ですが、想像ができない価値観は認められない社会構造です。
本中では、認められないとわかっているので、
後半では、佐々木佳道も、夏月も、何も話さないんです。主張はしない。
なぜかと言えば、
それは、最後の方に社会に理解されずに、
二人に下された判定です。
ふたりは、いくら社会に話しても、理解はしてもらえず、
社会からは、結局そのように判断されるのが、わかっていたんですね。
でも、この判定なら、、、
社会が認める多様性の中には、入れないんです。
社会は、そのような認識で二人を見ると思います。
これは、かなり複雑です。
私もやっぱり、そういう事かぁと、その可能性もあるかもしれないと考えてしまい、
二人の多様性を認められないかもしれません。
本中に書かれた、印象深い言葉を思い出しました。
自分が想像できる「多様性」だけ礼賛して、
秩序を整えた気になって、
そりゃ気持ちいいよな。
この本を読んだら、
今後、 「多様性は認め合わないと、、、」 なんて、
軽々しくは、言えないと思いました。
どのような多様性があるか、何も知らずに
表面だけの言葉に流されてはいけない気がしました。
自分が知らない多様性も、もちろん沢山あります。
理解してもらえない人たち、
中には、自分が理解出来ない、
そんな多様性もあるかもしれない中で、
「多様性」 という言葉は、安易に使う言葉ではないと、
この本を読んでそう思いました。
今回は、「多様性」 の矛盾点、盲点を
朝井リョウさんが、世の中にさらけ出した感じです。
朝井さんって、やっぱり凄い作家さんだなぁと改めて感じました。
これからも、世の中の矛盾や違和感をバッサリ切ってほしいです。
今回は、朝井リョウさんから、多くの事を学ばせてもらった感じです。
そして、もう衝撃を受け過ぎて、![]()
感想が長くなってしまいました。
ネタバレ避けてるので、
内容が、わかりにくくて、、、、
この本を読んだことがある方にしか、
伝わってないかもしれませんね。笑
あ~、、、それでも、
まだまだ書きたいのですが、
キリがないので、ここで終わります、笑 ![]()
また来週の金曜日(3月4日)に更新します~
すてきな週末をお過ごしくださいませ。
