『彼岸花が咲く島』
李琴峰
<2021年6月発行>
記憶を失くした少女が流れ着いたのは、
ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だった。
不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。
第165回 芥川賞受賞作品。
感想
架空の島が舞台です。
主人公の少女(宇実)が意識を失った状態で漂着して、
島の少女(ヨナ)に助けられます。宇実はヨナと会話するうちに
自分の話す言葉とは微妙に違うことに気が付きました。
この島は、女性が統治している島でした。
そして、ノロという役職の女性たちは、船で物資を運んできたり
島民のことを第一に考えて、島に尽くします。
ノロは<おんな語>を話さなければならず、
ノロになるためには、女の子供は<おんな語>を覚えなければ
なることができませんでした。
宇実は、もともと <おんな語>を話せました。
宇実は、大ノロから、将来この島のノロにならないのなら、
この島で、この先暮らすことは出来ないと言われますーーーーー。
さすが芥川賞的な、不思議な世界観でした。
読んでいて、この特有な世界観についていけるのか??? と、
読み始めは不安になりましたが、、、
宇実は、記憶を失っているのですが、
一体、どこから流れ着いたのか?
この先どうなってしまうのか?
なぜ、この島は男性ではなく、女性が統治しているのか?
そんな島の歴史も気になり、
好奇心に後押しされつつ、一気に読みました。
ネタバレになるので詳しく書けないのですが、
芥川賞らしさの世界観がある作品だと思いました。
李琴峰(りことみ)さん
初読み作家さんなのですが、台湾生まれで、
「ひらがな・カタカナ・漢字」 という3種類の文字を使う言語は
あまりないので、日本語の魅力に誘われ海を渡ったそうです。
2019年にも芥川賞に候補入りした
「三日月が五つ数えれば」 こちらの作品も気になりました。
【HAIKU詠んだよ】
【聖樹】 聖夜 サンタクロース
聖樹の灯夜空の星と交じりあう
せいじゅのひよぞらのほしとまじりあう
白い夜願う窓より聖夜くる
しろいよるねがうまどよりせいやくる
※ ホワイトクリスマスを願い、雪が降らないかと、
窓の外を眺めていたら、ちらちらと雪が降り出した状況です。
真夜中のタクシー走るサンタ乗せ
まよなかのたくしーはしるさんたのせ
※ 残業になってしまったサンタは、家族のもとへ、恋人のもとへ、
プレゼントを届けに走ります。
【虎落笛】
冬の烈風が、棚や竹垣に吹き付け、
ひゅーひゅーと笛のような音を出す。
寒朝の小鳥身を寄せ虎落笛
さむあさのことりみをよせもがりぶえ
友逝きて泣いてしまおか虎落笛
ともいきてないてしまおかもがりぶえ
※ ひゅーひゅーと泣いているような風音は悲しげで
亡くなった友人を思い出してしまい泣きたくなります。
虎落笛の真似る口笛あどけなく
もがりぶえのまねるくちぶえあどけなく
また来週、金曜日に更新します~
すてきな週末をお過ごしくださいませ。




