『スモールワールズ』
一穂 ミチ
<2021年4月発行>
すごい才能が現れた!
この物語は、きっとあなたを救う一冊になる。
6つの物語にちりばめられた
愛おしい喜怒哀楽を描き尽くす連作集。
内容
ネオンテトラ 不妊に悩むモデルの女性が、家庭環境に恵まれない少年と出会う・・・。
魔王の帰還 体格はよいが小心者の高校生の少年が、離婚すると言って実家に
戻ってきた豪快な姉とともにクラスで浮いている少女との交流・・・。
とにかくキャラが立っていて短篇にはもったいないと思いました。
ピクニック のどかなピクニックで始まるのですが、予想外の話の流れに
ただただ、驚くばかり、この作家さんの才能が際立っていた作品でした。
花うた 被害者と加害者。刑務所にいる青年の加害者と、青年に兄を殺され、
兄の妹にあたる被害者との手紙のやり取りが描かれているのですが、
予想もしなかった流れと結末には驚きました。
愛を適量 やる気のない教師が、別れた妻と暮らしていたはずの娘と
意外な形で再会する・・・。
式日 「ネオンテトラ」に出てくる少年の話です。
読んだ感想
第165回直木賞候補作の人気作家さんなのですが、
ようやく読むことができました。
一穂ミチさん。
初読み作家さんなのですが、
BL界の鬼才と呼ばれている作家さんとのことでした。
6つの短篇と連作なのですが、
どの作品も、思わぬ展開になっていくのには驚かされました。
「魔王の帰還」 は、キャラ立ちが良くて、
短篇にしておくには、もったいないと思ったのですが、
後からいろいろと調べた結果、アフタヌーンコミックで、
最速コミカライズされていました。
一穂ミチさんが漫画版のためだけに
原作を書き下ろしたそうです。
冒頭にも書いてあるように、
まさに すごい才能が現れた! この言葉がピタリときました。
このように書くと大袈裟なように思われそうなのですが、
やっぱり、こういうのは読まないと伝わらないですもんね。
普通に、天才だと思いました。笑
【 HAIKU詠んだよ!】
【冬帝】
冬帝の息吹きかける山の峰
とうていのいきふきかけるやまのみね
落葉
落葉踏む音それぞれの午後紅茶
おちばふむおとそれぞれのごごこうちゃ
落葉焚
落葉焚匂ひ包まれ背に入り日
おちばたきにほひつつまれせにいりび
冬めく
冬めきてベンチ寄り添う影の濃さ
ふゆめきてべんちよりそうかげのこさ
【シクラメン】
あの人に何送ろうかシクラメン
あのひとになにおくろうかしくらめん
凍蝶
凍蝶の石影に咲く白い花
いてちょうのいしかげにさくしろいはな
【冬菫】
願う人祈りの底に冬すみれ
ねがうひといのりのそこにふゆすみれ
また来週、金曜日に更新します~
すてきな週末をお過ごしくださいませ。








