『推し、燃ゆ』
宇佐見りん
ままならない人生を引きずり、祈るようにアイドル上野真幸を推すあかり。
ある日、真幸がファンを殴って炎上し・・・・・。 (2020年9月発刊)
第164回(1月20日)芥川賞受賞作を読んでみました。
主人公あかりは、自分自身にに問題を抱えていて、
家族、学校、バイト先でも、上手くなじめません。
生きることが重く感じ(文中表現) 苦しい日々の中、
「推しを推す」 ことが、生活の中心になりました。
推すことが、
あかりの背骨 印象に残った表現がありましたので一部抜粋します。↓
になっていく
あたしは、みんなが難なくこなせる何気ない生活もままならなくて、
その皺寄せにぐちゃぐちゃ苦しんでばかりいる。
だけど推しを推すことが、あたしの生活の中心で、絶対で、それだけは
何をおいても明確だった。中心っていうか 背骨 かな。勉強や部活や
バイト、そのお金で友達と映画観たりご飯行ったり洋服買ってみたり、
普通はそうやって人生を彩り、肉を付けることで、より豊かになっていくのだろう
あたしは逆行していた。何かしらの苦行みたいに、
自分自身が 背骨に集約 されていく。余計なものが削ぎ落されて、
背骨だけになっていく。
<P37~38頁 一部抜粋>
とにかくあたしは身を削って注ぎ込むしかない、と思った。
推すことは、あたしの生きる手立てだった。業だった。
最後のライブは今あたしが持つすべてをささげようと決めた。
<P108頁 一部抜粋>
自分のお気に入りのメンバーを推す、、、、、、推しメン
CDに握手券が入っていたりして、同じCDを何枚も買うことになる、A〇B商法、
CDを買ったり、コンサートへ行く、
推しメンの良さを熱く語る、他の人に向けてアピールすることでファン数を増やし、
メンバー内で推しメンの人気投票ランキングを上げること、、、、、、推し活
「推す」 ことに、自分のお金とエネルギー、すべてを使う。
主人公は、推し活に全力投球で、身を削るように生きているのですが、
その熱量と同じぐらい、自分自身の問題で、苦しさも同時に抱かえていて、、、、、
推すことは、その苦しさからの逃避ではなく、
もはや、祈りになっている、、、。
私は、今まで、「推しを推した」 経験はありませんが、笑
主人公が、推すことが、自分の背骨になっているように感じる という、
この「背骨」という表現が、なかなかいいと思いました。
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背骨
とは、自分が生きていく、「指針」 のようなものなのでしょうか。
背骨
とは、自分の中心にあるもの。
背骨
は、人間が生きていく上では重要で、
真っ直ぐに保たなければならない、命に関わる体の一部。
なので、ありきたりな、「指針」という表現を使うよりも、「背骨」
という表現を使った方が、
生々しく思えます。 身を削ってる感じ、自分の命と同じぐらい大切な感じが、
ひしひしと伝わってくるような気がします、笑
物語の状況と、表現がマッチすると、読んでいて胸に響きますね。
自分は、これまで生きてきた中で、
「これは、自分の背骨
になっている!」
そう感じたものは、
何があったのだろう???
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本編とは、全く関係ないですが、
遠い目をしながら、
ふと、そんなことを考えました。笑
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直木賞の感想は、比較的みんな、似たようなところで感動したりしてわかりやすいですが、
芥川賞で、このような感じの作品は、感じ方は人それぞれ違いますよね。
年齢、性別、人生経験・・・・・ みんな、それぞれ違うように
感じ方も、人によって様々です。
感じ方の違いの数だけ、感想も幅広くて、
そこが、魅力なんですよね、笑
全編がP125頁と薄いので、あっという間に読めてしまいました。
デビュー作の『かか』に続いて、
こちらの受賞作も、
かなりのエネルギーを注がれたのが感じられる、
そんな素晴らしい作品でした。
次回の更新は、12日(金)になります~
良い週末をお過ごしくださいませ~![]()
