『銀花の蔵』
遠田潤子
血なんてつながってなくても、こんなに「家族」だ。 大阪万博に沸く日本。
座敷童が出ると言い伝えの残る「歴史ある」醤油蔵で育った少女・銀花は
家族を襲う数々の苦難と一族の秘められた過去に対峙しながら大人になる。
小学校4年生位(1968年)~60歳ぐらいまで、
主人公・銀花の一生が描かれています。
~【感想】~
銀花の切ない
子供の頃 銀花の父親・尚孝は画家志望で、たまに家をあけて絵を書く旅に出ます。
銀花の母親・美乃里は、ふわふわした性格(文中)で、手ぐせが悪く、
たまに店のものを盗んでしまいます。たまに店から、
家に電話がかかってきます。父親が不在の時が多く、
いつも、子供である銀花が、店の店主の元へ駆けつけ謝ります。
<以下抜粋>
母 「銀花ごめんね。お母さん、また勝手に手が動いてん。」
母はしくしく泣き出した。
「なんでこんなことするのか自分でもわからんのよ。」
母親は財布にお金が入っていても必要な物ではなくても、
突然、手が動いて盗ってしまい後で後悔して泣き、もう二度としないと
約束しても同じことを繰り返します。
これ、今の現代なら病気だとわかり、対処法もありますが、
この物語の1968年当時は、まだ病気だと認識されていないんですね。
銀花は父親に、母親をもっときつく叱るように訴えますが、
父親はいつも、
父 「お母さんはかわいそうな人なんや。そやから優しくしてあげるんやで。」
母を責めることは一切しません。
そんな銀花の子供の頃は、何かと苦悩が付きまとうのですが、
父親は奈良で歴史ある醤油蔵の長男で、後を継がなければならなくなり、
銀花の一家は、大阪から奈良にある父の実家で暮らすことになります。
銀花のひたたかさ、
真っ直ぐな生き方に、 読んでいると徐々にわかってくるのですが、登場人物たちが、
心をうたれる 人には言えない過去を背負っているんですが、それが業となり、
何らかの形で巡っているのが人間の世界ということで。
その描き方が見事でした。
登場人物の中には読んでいて、
「どうしようもないヤツだなぁ」と思える人物が、
自分の置かれた状況をすべて受け入れ生きていく、
その生き様が切なくて、、、
そこヤラレてしまいました、笑。
登場人物のことが徐々に明かされてくる後半には、
人間はもともと愚かな存在で、
そこが人間らしくて素晴らしいのかも。
業を背負い、愚かさも持ち合わせている。
「それが人間だ!」 そう思える力強さを感じました。
それを引き出しているのが銀花で、
銀花の存在が際立っていました。
遠田潤子さん 遠田さんを初めて読んだのは、「雪の鉄樹」(2016年)でした。
初めて読んだこの作品が、精神的にもズッシリくるような重い内容で、
疲労感を伴ったので、当時は、その作風が、
自分に合わないと決めてしまいました。笑
(※ あくまでも個人的感想です、笑)
その後の「冬電」「オブリヴィオン」(2017年)あたりは、
読んでなかったんですよね~、何で読まなかったのか、
憶えてないんですが、いつの間にか読まずに過ぎてしまいました。
きっと頭の隅で、「雪の鉄樹」を引きずってたのかなぁと思います、笑
その後読んだのは、「ドライブインまほろば」(2018年)でした。
「ドライブインまほろば」は、粗削りでグサグサくる印象だった
「雪の鉄樹」と比べれば、全体が若干まろやかになった。
そんな感じがしました、笑
(※こちらもあくまでも個人的感想です、笑)
そして、今回の「銀花の蔵」は、あの頃に感じた粗削り感はなく、
きめ細やかに細部まで表現されて、素晴らしい作品でした。
これまで抱いてた「雪の鉄樹」のイメージを見事ひっくり返して、
遠田さんは、完全に自分好みの作家さんになりました、笑
作風の変化は2017年辺りからなのでしょうか?遡れば、
「雪の鉄樹」以前にデビュー後の2作品あるので、
このような作品も書くような作家さんだったのを知らなかったという、
そんな可能性もあるのですが。(←その可能性あるゾ、笑)
いやぁ~、久しぶりに読んだら、・・・
いきなり好みの作家さんになっていたなんて、、、
こんな事ってあるんですね、笑。
これを機に他の作品も読んでみようと思い、
読む楽しみが増えました。
作家さんによって作風が変化する方は他にもみえますが、、、
思い出したのが、宇佐美まことさん。
昔はよく読みましたが最近の作品は、
これ、ご本人が書いたもの?という感じで作風が変わって行き、
自分の好みとは少しかけ離れていきました。
好きな作家さんだったので、自分にとっては残念なのですが、
作風の幅が広がることは、いいことですね。
またいつか、好みの作品を書いてくれるかもしれへんし、笑
今回は、その逆バージョンだったので、めっちゃ嬉しいです!笑
プロフィールにも書いてありましたが、
遠田さんが描きたいのは、
苛烈なまでに人間の業を描きながらも、
生の力強さ、美しさを感じさせる世界観
この作品は、そこが表現されて素晴らしかったです(絶賛でした!)
2020年 上期の第163回 直木賞候補作 にもなってたんですね。
コロナのワクチン
って、
厚生労働省HPでは、ワクチン接種は春頃で、
まだ詳細は未定になってましたが、2回接種で
予防効果と副作用の説明で合意があった方のみが接種!
とありましたが、これ、悩んでられる方も多いんですよね。
自分は、社会的な流れで接種するのかなぁ。
でも、正直内心は、ざわざわと、ざわついてるのは確かなんです、
大丈夫? っていう感じがして、笑
コロナ感染者多いですが、今がピークであって欲しいと願います。
でも、先のことは、まだわからないですね。
緊急事態宣言が増えてるし、
じっと我慢で乗り越えるしかないんですが。
考えても仕方ないので、
自分が出来る事をやるだけやったら、
どうせ過ごすなら、あとは笑って過ごしたいですね。
笑うことで免疫力も、 上げ上げで、笑
ありがとうございました!
次回、更新は22日(金)になります~
コロナ禍ですが、
穏やかな週末をお過ごしくださいませ~![]()
