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 右イラストはMECHAさんに書いて頂いた「餓鬼ども!」のキャラクター、餓鬼ちゃんズです。    ⇒

  暑いので、どこででも寝てください。

 連日38度という猛暑。ここは一雨・・・、と思えば道路が冠水するような豪雨。ちょっとは加減して欲しいですね。

 

 猫たちは思い思いの場所で寝ています。ただ、こんな場所を好まれては音楽・特にレコードを楽しめません。

 

   なに?

 ああ、気にしないで。こっちの話だから・・・。

 

 でも遠慮したのか、しばらくすると場所変えをしました。

 

 ここです。ソファーの背もたれの部分。でもここはシマポンママのお気に入りの場所のはず・・・。

 

 と思っていたら・・・、

 

 やはりシマポンママが「どかせてくれ」と言って着ました。

 

 チビポンは一階のベッドの上。

 

 ん、ドロシーはどこ?

 

 ドロシーは時折、行方不明になります。探しませんけどね。

 

 店の猫たちより若いモッチ君(バケツの下)とハッチ君(うしろ)は、やはり若いので暑くても元気なようです。

 

 まあ、ここはクーラーが効いてますしね。

 

 とにかく、みんな暑い夏を乗り切りましょう。

 

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  小説「スタッフ・ファイター」

 

 短編小説『スタッフ・ファイター」

 

 コロッセウムから次の戦闘を要求する「レッツゴー、ファイト!」の合唱が聞こえてくる。

 

「用意はいいか? ドアを開くぞ」とゲートキーパーが聞いてきた。

 

 俺たちは黙って頷く。

 

 同時に場内に俺たちのチーム名がコールされる。

 

「さ~~て続いて、ノースゲートよりの登場は、アストラ~ル・チュ~~ンズ!」

 

 途端に場内からものすごいブーイングが響いた。

 

「また出やがったか、この八百長野郎!」

 

「ピエロの3人衆め、さっさとやられっちまえ」

 

「今日はどんなふうに負けるんだ? エレイナ、お前の悲鳴を聞かせろや」

 

 その心無い罵声に、女性魔導士・エレイナの目から涙がこぼれた。

 

「エレイナ、いつものことだろ。気にするなって」

 

「けどさジェイド、みんな私たちが無様に負けることしか期待してないんだもん」

 

 確かにコロセウムは完全なアウェイで、しかもヤジは辛らつだった。

 

「負けるとは限らんぞ。見ろよ、敵は完全に初心者だ」 

 

 僧侶のパオが指摘したように、サウスゲートから登場した敵チームのアイアン・ヴェスパーズは装備もろくに揃っておらず、武器と防具の店で買える最高級品である鋼の剣や強化鋼の鎧だけを着用しており、俺たちのようにミスリルの剣やチタンヘルメットなどは一切持ち合わせていなかった。

 

 俺たちのこの装備だって、長年コツコツダンジョンに潜って、イベントポイントを泥臭く貯めて手に入れた努力の結晶だ。

 

 だが……、

 

「勝てないな……」と俺はつぶやいた。

 

 敵チームの中に異彩を放つスーパー魔導士がいたからだ。

 

 こいつはギルドの酒場でスカウトできるようなタマじゃない。重課金ガチャを回しまくった奴だけが引き当て、契約できる特別なメンバーだったからだ。

 

 「しかしあの方のレベルは相当低いようにお見受けしますがな……」

 

 パオが鑑定眼のスキルで実力を見抜いた。

 

「それでも創造主(運営)はあのチームに加担すると思うぜ」

 

 

 

 ゴォ~~ン!

 

 試合を始めるドラが鳴った。

 

 勝負のかなりの部分は先制攻撃ができるかにある。

 

 両チームは同時にダッシュした。

 

 はたして先行は?

 

 なんとアクセルスキルを持たないアイアン・ヴェスパーズだった。

 

 俺たちのチームの魔導士・エレイナは相当色々なスキルを身に付けていて、その中には、チーム全体の動きを早くするアクセルスキルも持っている。

 

 だから普通に考えれば俺たちのチームが先制攻撃できるはずだった。

 

 それなのに……。

 

「ファイアーボール!」

 

 敵の魔導士の放った低級魔法・ファイアーボールが俺たちをいきなり襲ったのだ。

 

 ヒョロヒョロと吐き出された火の玉は見る間にドラゴンが吐き出す炎のように渦を巻いて俺たちを覆った。

 

「ギャ~、アツアツアツ!」

 

 まともに受けてしまったパオが悲鳴を上げる。

 

 すると、それまでへっぴり腰で剣を構えていた敵の戦士が、これは勝てると判断したのか、

 

「いけるぞ。僧侶は片付いた。次は防御の薄い女魔導士を狙ってやる」と宣言した。

 

 防御が薄いだぁ? エレイナは試合開始直後から目に見えない『オーロラの盾』を張りまくっているぞ。

 

 こいつは初級の鑑識眼すら持ってないのか?  上級バーサーカーの渾身の一撃でもかすり傷ひとつ付かない代物だぞ。

 

 それで俺は安心していた。といっても、助けようにも試合が始まって以来、まるで巨大な蜘蛛の糸に絡まったかのように、まったく動けなかったのだが……。

 

 ところが驚いたことに敵の鋼の剣(攻撃力20)がエレイナのオーロラの盾(防御力90)をなんなく突破し、彼女に致命傷を与えたのだった。

 

「キャア~~」

 

 という悲鳴がした途端、勝負が決したと知らせるドラが鳴った。

 

 悔しいから、わざとらしく「うわあ~負けたあ」と言ってやった。

 

 タンカで運ばれるエレイナとパオに「やめちまえ!」「この見掛け倒し(たぶん俺たちの装備がすごいから)」という嘲笑が浴びせられ、すごすごと後を追う俺には、何本もの酒瓶が投げつけられた。

 

「パオさんとエレイナさんは治療に、もう少しかかります」と案内係から連絡が入った。

 

 ほぼ致命傷でも短期間で治せるところはこの世界の便利な点だ。

 

 彼らが医務室から出て来る迄と、ロングチェアーに足を延ばしてくつろいでいると、夕方から出番だという顔なじみのチーム、トリプルスマイルズが控室に入って来た。

 

「ちわーす。あれ、エレイナさんたちは、また医務室ですか?」

 

 俺しかいないことで察したのだろう。

 

 俺が「そう、今日もヘナチョコチームにボコられてさ」と言うと「お互い辛いっすね」とため息をついた。

 

 彼らもまた俺たちと同じ、守護霊が無課金の通称スタッフ・ファイターなのだ。

 

『この世界で楽しく生きたければ課金しろ。それが嫌なら負け役に徹せよ。それも嫌ならこの世界を去れ!』と言うのが暗黙のルールだ。

 

 だから理不尽な事と思えても我慢しなければならない。

 

 課金する守護霊はお客様、いや神様だからだ。

 

「治療終ったよ~。飲みに行こう」

 

 エレイナとパオが何事もなかったかのように戻って来て、見知ったチームがいるのを見つけ「あれ、トリプルスマイルズも今日、試合日だったの? いつもの居酒屋にいるから、試合が終わったらおいでよ」と誘った。

 

 

 

 負け戦が続くが、5回に1回くらいは運営が手を抜いて勝てることがある。

 

 その時の賞品は10回分の参加料より多いので、守護霊は俺たちをコロッセウムで戦い続けさせる。時々やっていられないと思うことがあるが、『まあいいか』と割り切っている。

 

 俺たちの本来の実力は徐々に上がっている。

 

 時々、それを実感できることがあるので、腐らずに生きていられるのだ。

 

 そして今日もまた……。

 

 

 

「オヤァ、これはこれは。先ほど俺たちに簡単に成敗されたアストラル・チュ=ンズの皆さんじゃないですか?」

 

 そう声をかけて来たのは、創造主によって気持ちよく勝利を与えられたアイアン・ヴェスパーズのリーダーだった。

 

 むりやり勝たせてもらったということも理解せず、あれが実力だと勘違いしているのだった。

 

 俺たちのように医務室で時間を取られた敗戦者ではなく、勝てた喜びで、居酒屋に直行し、すでに酔っていた。

 

「おめえら、弱っちい癖に、なんだその豪華な装備はよ。いったいどこで大枚叩いて買ってきやがったんだ?」

 

 と、オラ付いてきた。

 

「いや、これはS級ダンジョンでボスを倒せば、簡単に手に入るぞ」

 

 正直に答えてやったが、それが怒りを誘ったようだ。

 

「コラ、冗談もたいがいにしろ! 俺たち栄光のアイアン・ヴェスパーズでさえ、D級ダンジョンの上層部までしか行けないのに、お前らがそれ以上なわけがないだろうが! この世界をなめているようだから、ちっと焼きを入れてやる。嫌ならその装備品を置いて行け。そうすりゃ許してやってもいいぞ」

 

 と追いはぎのようなことを言い出した。

 

 こんな街中でケンカしなければならないのは嫌だが、仕方がない。少しだけ思い知らせるかと、ミスリルソードに手をやった時には、ちょっと遅く「ギガフレイム、街中だからマッチ一本分」「サンダーストーム、人が多いからクシャミ程度で」とエレイナ&パオの攻撃が炸裂していた。

 

 自称・栄光のアイアン・ヴェスパーズたちは隣の辻まで吹っ飛ばされ、プスプスと煙を上げていた。

 

 コロッセウムだと怪我をしても治療が無料だが、こんな場所では治療アイテムを買うかHPが戻るまで3日程待つしかない。

 

 これでやつらの守護霊が怒ってこの世界を離れれば、やつらは野良チームとなって、次の守護霊が現れるまで紹介所で過ごすことになる。ちなみにスーパー魔導士の『スーパー』は外れるはずだ。

 

 

 

 トリプルスマイルズも無事、戦いに負けて合流したので、俺たちは居酒屋で楽しい飲み会を開くことができた。

 

 ただ、ここでもエレイナの愚痴は止まらず、

 

「それにしてもウチらの守護霊さんって、本当にケチよね。そんなにたくさん課金しろなんて言わないけど、ちょっとだけでも課金してくれたら、こんな目に合わずに済むのに!」

 

 と、天井に向かって叫んだ。

 

 すると、今まで黙っていたパオが初めて重い口を開いた。

 

「それなんですがな。実はワシには、ちょっとばかりテレパシーの能力がございましてな。以前、守護霊さんに同じ疑問をぶつけてみたことがあるんですわ」

 

 と、言い出した。

 

 これにはトリプルスマイルズの面々も興味津々でパオの話に聞き入った。

 

「それによるとワシらの守護霊さんは自分のチームを強くするために課金するのに抵抗があるようなのですよ。彼は昔、極限までキャラを無敵にしたことがあったそうなんですわ」

 

「へ~え、キャラを無敵にしたらどうなったの。すごく面白かったとか?」

 

「いやそれが、わずか30分で飽きたらしいです。それ以来、守護霊さんは人生もゲームも簡単にしては面白くないのだと悟り、我々のチームにも課金しないのだそうです。要するに、お金が惜しいというのではなく、我々を模したフィギュアや活躍の様子を印刷したタオルなどが通販で売り出されれば買いたいと言ってましたなあ……」

 

「何よそれ……。でもやっぱりこんなふうに私たちが無理やり負けさせられるのを見ていて面白いというのは変態なんじゃ……」

 

 エレイナはどうしても納得がいかないようだった。

 

 これは俺も同意見で、こんな理不尽な世界がなんで面白いのだろうと思う。

 

 だが、これにもパオは答えた。

 

「その答えは簡単で、守護霊さんが住んでいる世界の方が、我々の世界よりずっと理不尽で不公平な世界だからだそうですよ」

 

 そう言って笑った。

 

        おしまい

 

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 ラノベ「抗いし者」第10話

     賠償金の分け方

 

  「抗いし者」第10話 賠償金の分け方

 

 

 翌朝、窓の外から聞こえてくる怒号に近い騒ぎで目が覚めた。

 

 村の広場が異様な熱気に包まれている。

 

 私の部屋に息を切らして飛び込んできたマイラの話によれば、どうやら原因は昨日解放したダルーガの捕虜にあるらしい。

 

 彼らを無傷で送り返した謝礼として、村に銀貨二千枚という、

破格の報奨金が支払われたのだ。

 

「銀貨二千枚……。村の収入、まるまる三年分よ!」

 

 マイラは興奮気味にそう言ったが、その割には不機嫌そうだった。

 

 詳しく聞くと、その大金の「分配」をめぐって、広場では男たちが朝から怒鳴り合いを続けているのだという。

 

「長老たちは槍を持って戦った戦闘員には、非戦闘員の倍の額を支払うって決めたの。でも、基準を六枚にするか七枚にするかで、朝からずっと揉めてるのよ。私も足し算くらいできるから会議に混ぜてよって言ったのに、ボルク兄さんが『女は引っ込んでろ』なんて言って追い出されたのよ!」

 

 彼女は頬を膨らませて、悔しそうに床を蹴った。

 

「足し算?」

 

 私は思わず聞き返した。割り算ではなく?

 

 どうやらこの村の計算方式は一人ひとりに配る枚数を、一から順に足し合わせていく、途方もなく非効率なものらしい。

 

 二千枚という数字を前に、彼らの算術は完全に限界を迎えているようだった。

 

「マイラ、村の人数を教えて。戦えないお年寄りや、地下に隠れていた人は何人? それから、戦った人は?」

 

「ええと……村長みたいな年寄りや子供を合わせると115人。ボルク兄さんたち防備隊25人と臨時の戦闘員73名の総数は98人。あ、チグサも臨時戦闘員の扱いよ」

 

 私は頭の中で式を組み立てる。

 

 戦闘員の一人あたり配分を 2y、非戦闘員を 1yと置けば、総額は以下の式で表せる。

 

『98 ×2Y ∔ 115×1Y = 311Y』

つまり、2000を311で割ればいいだけの話だ。

 

 ポケットの中のスマホを弄れば一瞬で答えは出るが……、

 

 あいにく貴重なバッテリーをこんなことに使うわけにはいかない。

 

 私は傍らにあった手近な紙片に、羽ペンを走らせて筆算を始めた。

 

「6枚なら合計1866枚。7枚にすると2177枚。足りなくなるわね」

 

 私が淡々と告げると、マイラは目を丸くした。

 

「そんなにすぐわかるの? 魔法みたい!」

 

 彼女はそのメモをひったくると――、

 

 一筋の光を見たような顔をして広場へ駆け出していった。

 

 

 

 しばらくして、広場の喧騒はピタリと止み、代わりに驚嘆の声が上がった。

 

 その後、わざわざ部屋までやってきた村長からは、深々と頭を下げて感謝された。

 

 一方で、ボルクは相変わらずの調子で私を眺め、顎をさすりながら言った。

 

「白衣の露出癖のある魔女様は、難しい計算までこなすのか。いや、感服したよ」

 

 私としては『露出癖のある魔女様」という余計な一言に抗議したかったが、彼が私の服装を不本意ながらも受け入れ、『節操の無い恥知らずな』とか、小うるさく言わなくなったことだけは、唯一の収穫だと思えた。

 

    つづく