僕の名前は阿里助。いつからそう呼ばれているかと言うと、お兄ちゃんにここの家に連れて来て貰った時からなんだ。
僕は「犬」っていう生き物で、人間とは昔から友達なんだって。

僕が生まれてからの事は、実は覚えていないんだ。

何故か分からないけど、中学校の前の草むらに居た僕を、お兄ちゃんが見つけて、「モグラかな?」って言いながら、足でツンツンって突いたんだ。
僕は、「モグラってなあに?つつかないでよ~!僕と遊んでよ。一人でつまらないよ~!お腹も空いたよ~」ってとにかく叫んだんだ。

そうしたら、お兄ちゃんは、僕を覗き込んで「あっ!仔犬だ。」って言って、ニコニコしながら抱き上げて、紙袋に入れてくれた。どこへ行くのだろう?って怖かったけど、もう袋に入っちゃったし。 僕は成り行きに任せることにした。お兄ちゃんも優しそうだしね。

暫くしたら、「ただいま」って声が聞こえて、僕は袋の中から、コロンと、転がり落ちた。

そこは、今まで見た事が無い所で、そこにはお姉ちゃんと、これから僕がとっても仲良しになるナオちゃんが居た。僕を見て、「可愛い!黒いブチの仔犬だ!」って凄く笑って僕を抱き上げてくれた。そして、暖かいミルクを飲ませてくれた。僕は黒いブチらしい。

お腹がいっぱいになったら、ついついおしっこがしたくなって、僕はどうして良いか分からず、あちこちにしちゃった。

そうしたら、お姉ちゃんとナオちゃんが、雑巾で「あ~!」って言いながら、拭いて回った。その後、僕は「ここでおしっこしちゃいけないよ」とやさしく注意された。次からは、用意されたシートの上か、お庭でする事にした。

僕は、眠くなってそのまま寝ちゃった。