きゅうりぐさ。
春になると、庭のすみっこにそっと現れる小さな花です。

 

 

名前の由来は、葉や茎をこすると、
ほんのりときゅうりのような香りがすることから。
こんなに可憐なのに、少し意外で、なんだか愛おしい。

 

よく見ないと見逃してしまいそうなほど小さな花ですが、
マクロレンズを通すと、その世界は驚くほど繊細で、
やさしい色に満ちています。

 

マクロは、いつもの景色とはまったく違う世界を見せてくれるのが楽しい。
ぐっと近づくだけで、こんなにも豊かな表情が隠れていたんだと気づかされます。

 

私は基本的に手持ちで撮るので、
息をそっと止めて、ピントを合わせるその一瞬に、
すっと没頭していく感覚も好きです。

 

撮影は絞り優先で、ISOはオートに。
そのときの光にまかせながら、
被写体と向き合うようにしています。

 

使っているのはタムロンの90mmマクロ。
F2.8で背景をやわらかくぼかしながら、
主役だけをすくい上げるように。

 

ただ、小さな花ほどピントはとてもシビアで、
少しでも合わせやすくしたいときや、
もう少しだけ奥行きを持たせたいときは、
F3.5くらいまで絞ることもあります。

 

青く透き通るような花びらに、
ちいさな黄色の中心。
そのひとつひとつが、まるで春のかけらのよう。

 

庭の手入れをしていると、
つい雑草として抜いてしまいそうになるけれど、
この花だけは、少しだけ残すようにしています。

 

気づいたときに、
ふっと心がほどけるような存在だから。

 

 

 

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