少しずつ記憶が定まってくる。

長い眠りから目を覚ましたように、

ゆっくりと起き上がる。

そっと部屋に母が入ってくる。

そしてその後ろから父が入ってきた。

 

私は驚いた。

なぜあんな残虐なことをした父が

この家にいるのか。

警察に捕まったのではなかったのか。

混乱になりベッドから身を起こす。

まくしたてて母に聞く。

勢いある自分の声で

どんどん興奮し、覚醒していく。

 

そのうちにこれは私を陥れるための

何かの策略かと思い始める。

記憶が曖昧だかうっすらと残っているこの数日の記憶。

最も信頼している家族。

父が起こした行動。

被害を受けたはずの母。

年末に終わったセッションの時のとある呪文。

自分の未知なる力を発揮するための、

あの言葉を繰り返し唱える私。

 

そして一つの結論にたどり着く。

ここにいる人達は私にとっては信用できない。

『敵』

ふと母の手元を見ると

なにやら見覚えのあるコップがあった。

それは紫色の水。

ここ数日ずっと飲んでいた”命のお水”

あの中に何か仕込まれたいたかもしれない。

そう思った時、私は母を攻撃し始めた。

手術したばかりの人だなんて、

これっぽっちも頭にない。

自分より背が低い母を叩き始めた。

それを必死に止める父。

母では埒が明かないと感じると

今度は父を攻撃し始めた。

 

 

 

 

何度も何度も罵声を浴びせる。

父のせいで家族が洗脳されている。

父が全ての元凶。

私がここまで戦っているのに、

誰も目を覚ましてくれない。

 

とにかく二人を部屋から追い出し、

私は立てこもった。