その後も何度か布団に入ったが、

なぜだか不思議な夢ばかりみる。

そしてどれも目覚めたら、心地悪い。

 

なんだかどこかで見覚えのあるような雰囲気を感じるが、

それを思い出すことはできない。

どこかでみた記憶だが、うっすらな夢の続きをみてしまう。

深く深く眠っていたからなのか、

それとも眠りが浅かったからか、

それさえも全く分からない。

ただ、こういう気持ちになったことは

幼い頃から何度かあったし、

寝ぼけていたこともあって、そのまま身を任せる。

 

何気なく散歩に出る。

特別買うものもないが、歩き回るのは嫌いじゃない。

いつもと違うのはどこかひっそりとしているところ。

やはりそこは新年なのか。

辺りを見回しても、家の周りの店も休みだし、

犬の散歩以外くらいだった。

 

 

薄暗くなってきて、家に戻った。

玄関を開けて、なんだか異様な空気を感じた。

おそるおそる和室へいく。

家族が集まる部屋だ。

そこには目を見張る光景が。

部屋が荒れ果て、辺り一面血まみれ状態。

母を確認するが、出血して意識がない。

姉も倒れている。

何がなんだか分からない。

なんだか部屋がきな臭い。

 

散乱した部屋に壊れかけたテレビから聞こえてくる映像。

なにやら夕方のニュースが流れている。

一家惨殺の悲惨な内容。

他人事じゃない。

そしてその家をみて驚く。

気づけば人が集まっている。

映像に映っているのは、まさに自宅。

そして、周りには炎が立ち上がってる。

容疑者の名前と顔写真を確認する。

 

そう、容疑者は父。

そこで気づいたのは、背後からの気配。

ゆっくりと振り返る。

そこには鬼の形相をした父の姿。

仁王立ちしたその手には包丁が。

まずいと思った。

逃げなきゃ殺される。

怖いより憎い。

母をこんな目に遭わせた父が憎い。

テレビなんかどうでもいい。

ニュースになろうが構わない。

私は勢いよく父へ向かっていった。