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軽くめまいを受けた。

いや、激しく、に、訂正。


二人だけの秘密だと思っていたのに。
あいつ、この男に俺たちのことを話してたのか。


心にグサリと何かが刺さったが、
見抜かれるのが嫌で、首をわざと大げさに振る。


『・・・確かにおれ達はつき合ってましたが・・・。
 俺が沙希を振ったんですよ?』


社長が俺と沙希のことを
どこまで知っているのかも分からなかったが、
思わずそんな言葉が出してしまった。


『・・・だから?』

『だから、って・・・。
 だからもなにも、だからありえないっつーか・・・。』

『ありえない、ねぇ。』


しどろもどろになっている俺の肩を、
社長はポンポンとたたいた後で、グっと掴む。


それは、十分伝わる威嚇。


“沙希に手を出すな”


そんなふうに言われている気がした。

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金~週末の19時更新予定です。
森のレストラン<第一話>はコチラ
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