と、いうのも、あたしと先生が
二人きりで話したことなんて、
多分 今が初めてなハズ。

だから先生が自分の下の名前まで
覚えてくれていたというコトにも
少しびっくりした。


あたしの考えていることなど、
もちろん知らない先生は、
赤信号で止まった時に、
再びあたしに話しかけてくる。


『・・・おい、いい加減、何かしゃべれよ。』

『・・・さっき、彼氏に、振られました。』

『あ?』

『・・・もう、いいの。』

『もう、いいっておまえ・・・。』


その時のあたしは、
なんだかもう、何もかも面倒くさくて、
どーでも良くなっていた。


『ミヤ先生。・・・どこか、連れてって下さい。』

『・・・え?』

『・・・どこでも、いいから・・・。』


その時、信号が青になったので、
先生はアクセルを踏みながら
もう一度あたしに視線を配った。



雨は、一層強く降り出していた。


続く
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