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好恵さんは、
あたし達がバイトに入った頃に
いろいろ教えてくれた人だ。
望月さんと同じ大学の後輩で、
薄明かりの下で見ると、高校生のあたしよりも
ずっと綺麗で大人っぽく見えた。
『・・・・・・・ずっと・・・・。
好きだったんです・・・・。』
好恵さんが、望月さんに、
今にも泣きそうな声を出してそう言った。
『・・・・ごめんね。
好恵さんは、凄く魅力的な人だと思うけど・・。
君の気持ちには、答えられない・・。』
好恵さんは、その言葉を聞いた途端、
わっと泣き出し、そのまま走り去ってしまった。
望月さんは一瞬追おうとしたが、
その場に留まって、
好恵さんが走って行ったほうを
申し訳なさそうに見ていた。
好恵さん・・・。
望月さんのこと、好きだったんだ・・・。
隠れているあたしまで
胸がドキドキしてきた。
リアルな告白の場面に出くわしてしまって、
望月さんの口から
断りの言葉を聞いてしまうと、
あたしも次に同じ事を言われるかも知れない、と思い、
漠然と不安が募ってきて・・・。
動けなかった。
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