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ハンバーグセットを二つと、
オレンジジュースとアイスコーヒーをオーダーし終え、
望月さんはタバコに火をつけた。
『バイト、もう慣れた?』
『そうですね・・。
一応一通りは覚えられたと思ってるんですが・・・。
まだまだトロくて、
皆さんの足手まといだと思ってます・・・。』
望月さんは、煙草の灰を灰皿に落としながら
そっかそっか、と言って、言葉を続ける。
『由香は、さ。』
『え?』
『由香の思ったように動けばいいと思うよ。
それで何か失敗したとしても、俺がフォローするから。な?』
『望月さん・・・?』
バイトの中だけの話なのに、
あたしは望月さんに
自分の人生を応援してもらっているかのような
錯覚を覚えた。
『あ、ありがとうございます・・・。』
そのとき、
ハンバーグセットが運ばれてきた。
二人でハンバーグを食べる。
ただのファミレスのハンバーグなのに、
それは今まで食べた
どのハンバーグよりも美味しく感じた。
何を食べるか、ではなく、誰と食べるか。
あたしは、今日一日で、
それを学んだような気がした。
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