「お母さん」
先日捕獲器で捕まえた、ホームレスさんのところに来ていた母猫と子猫5匹。
ともう一組の母猫と子猫4匹。
母猫はともに、クロ。たぶん姉妹。すっごくすっごく小さなお母さん。
涙が出るほど小さなお母さん。
えさやりをしているホームレスさんには、「えさやりをするなら去勢避妊はセットだから、
知らない猫がきたら捕まえて欲しい。費用はこちらで出すから」と会うたびに言っていたのに、
メスなのがわかっていたのに、捕まえることができたのに、とうとう2匹のメスに子供を
産ませてしまった。
結局、産ませてから母猫と子猫を連れてきた。
捕獲したときに子猫はみんな、風邪で目がぐじゃぐじゃ。
全員がのりのようになった膿で目がふさがり、閉じた目がぱんぱんだった。
急いで手持ちのミネラルウォーターで洗浄し、目を開いてみる。
みんな角膜破裂寸前。
風邪で目に膿がたまったまま放置すると、角膜が細菌感染で破裂する。
そうすると失明なのだか、その後感染が進むと破裂したあとの眼球を摘出することになる。
片目のコジローがそうだった。
私が手当てしたときは、角膜破裂をおこしたあとだった。
「痛いんだよ」と獣医師。
そりゃそうだ。私たちでっかい人間だって、目に何か入っただけで痛いのだから・・・・。
今回の子猫たちは、角膜破裂は避けられたが、全員が目の治療・・・・・
もう私は4月からずーっと子猫続きで、体力も仕事もどうにもできなくなっていて、
ボラさんにお願いして子猫を預かっていただいた。
今は暑くて、里親さん希望の方も少なくて、子猫を抱えると本当に大変だ。
お母さん猫は避妊手術して、耳カットしてもとの場所に放す。
お母さん猫は狂ったように子猫を探す。
まだ、手術後のお腹がいたいだろうに・・・・・・・・。
鳴いて鳴いて鳴いて、子猫を呼ぶ。
もう子猫はいないのに・・・・・・・・。
そんな母猫を見て、ホームレスさんが「妊娠する前に簡単に捕まえられたのに、
かわいそうだね」と言う。
その言葉に言い返したい100000000の言葉を飲み込み、
「そうだね。次からはえさやりするなら、知らない猫がきたら手術しよう。
みんなが大変になるし、これだけの猫がいたらお金も10万単位でかかるんだよ。」
「そうだよね。今度からはそうするよ。今回はよろしく頼むよ」と彼は言った。
社会から逃げて逃げて流れてきたホームレスさんは、自分の世界観で生きている人が
ほとんどだ。
みんな物事の考え方、人とのコミュニケーションがへんてこになっている。
それでも、自分を否定しない人には少し心を開いてくれる。
そんなホームレスさんたちと接するのは、私にとってかなり高度な修行道場。
彼も今回のことで、えさやりするなら、今後知らない猫は手術しないと
全てを巻き込んで不幸にすることを学んだ。と言った。
ホームレスさんに限らずだけど、人は衝撃的な思いをしないとなかなか変われない。
今回、彼はいろんなことを学んだのだと思う。
けれど・・・
まだ、母猫が鳴いている・・・・・・・・。
いきなり子猫がいなくなった。
どうなったのか、母猫が知ることはできない。
お母さんが泣きながら、必死で子猫を探す。
ごめんなさい・・・・・。
泣きながら手を合わせた。
里親さん募集しています。
どうぞ、よろしくお願いします。
