イワタバコと呼ばれる山野草がある。
貴重な植物で、湿った岩肌からいきなり葉っぱが一枚生えて来るのだ。
土もなく、コケくらいしかない岩盤に群生した葉は何とも面白い光景だ。
初夏には葉の付け根に可憐な花を咲かせ、園芸種としても利用されている。
葉は時にはホオバのように巨大になり、その形がタバコの葉に似ていることからこの名が付いた。
漢方では生薬名「苦苣苔」クキョタイ、健胃薬として用いられる。
山菜としても利用され、天ぷらにすればほろ苦く美味しい。
以前経営していた山間のホテルの渓流にこれが群生、食材として使っていたが、懸命に岩に張り付いているこの姿を見ればなかなか摘む気にはなれない。
茎もなく、いきなり葉っぱが生える植物は他に「ヒトツバ」があり、弱々しいイワタバコと違って土から硬く逞しい葉が群生、同じように生薬として用いられる。
珍妙な植物を挙げるなら、このイワタバコと、葉の中心に花が咲き、食べられる実を付ける「ハナイカダ」、珍妙な名なら、「ヘクソカズラ」と「ママコノ尻ヌグイ」だろう。
「オオイヌノフグリ」は一般的で何処にでも生えて来るが、上記の二つはあまり知られていない。
希望するなら、ヘクソカズラの強烈な臭いを嗅がせてあげるし、ママコノシリヌグイでお尻を拭いてあげる。
一度はやってみたい・・・

